フードデモンストレーション(離乳食の調理実習)を実施しました。

5月下旬にクポッタゴン区のプレック・トゥク村でフードデモンストレーションを行いました。
村の母子保健ボランティアの自宅をお借りして、乳児を持つお母さんたちを対象に栄養のある離乳食のお粥の調理実習をしました。


PHJスタッフと母子保健ボランティアの指示のもと、お母さんたちが調理に参加しました。

お粥を待つ子供たち

離乳食のお粥完成です。
お米のほか、緑野菜、カボチャ、サツマイモ、魚、卵、豆腐など、栄養価の高いものが入っています。

子供たちのほとんどがお代わりをしました。


参加者全員で試食しました。大人にも好評な味でした。

最後に、PHJスタッフが乳児に必要な栄養に関する講義をしてフードデモンストレーションは終了しました。
今まで栄養のあるお粥を作りたいと思っていたけれど作り方を知らず、今回の実習で学べてよかったとお母さん達から感謝の声をいただきました。

保健ボランティア向けに母子保健の研修を実施しました

5月上旬の2日間で、ピアムゴッスナー保健センターにて保健ボランティア(VHSG)向けに母子保健の研修を実施しました。保健センターの看護師と助産師がファシリテーターとして妊婦管理、産後ケア、出産間隔、予防接種、衛生について講義しました。
ピアムゴッスナーの保健ボランティア18人中15人が参加しました。風も扇風機もない猛暑日でしたが、保健ボランティア達は辛抱強く暑さに耐えながら最後まで研修を受けていました。
看護師、助産師とPHJスタッフで研修前の段取りと教材についての説明をしている様子。

猛暑の中、保健ボランティアが集まってくれました。

チェイフール看護師はたまにジョークを混ぜながら講義し、和気あいあいとした雰囲気で研修が行われました。

予防接種の講義。

セング助産師による出産間隔の講義。

研修の最後に、PHJが作成した保健に関する冊子を一村に一部贈呈しました。

政府職員と事業モニタリング評価ワークショップを開催しました

毎年、年に1回、政府の関係者を招き、ワークショップ(会議)を開催しています。この会議ではPHJの活動の結果や成果を共有し、ノウハウが受け継がれることを目的としています。
今年度は2019年5月14日にミャンマー保健省、ネピドー公衆衛生局、タッコン郡保健局から関係者が集まり、開催されました。

前半はプロジェクトの進捗状況を説明し、後半はプロジェクトや活動指標の達成度を共有しました。
プロジェクトの大きな成果として、施設分娩(病院や村にある一次医療施設での出産)率が上昇していること、そして、ある地域では自宅分娩がゼロになったことが挙げられました。
達成要因としては、①村での母子保健教育で助産師が定期的に施設分娩の利点について説明していること、②村長が協力的で、育成した村のボランティアである母子保健推進員と共に、母子の安全のため施設分娩を推奨していること、③道が整備されたことが考えられました。
ネピドー公衆衛生局からはPHJのプロジェクトはとても効果的であるとの言葉を頂きました。
プロジェクトは2020年10月に終了予定です。次回のワークショップではプロジェクトのハンドオーバー(譲渡)に向けて準備しつつ、プロジェクト終了後も、現地の人たちが自分たちで活動を継続できるよう支援していきます。

小児統合疾患管理トレーニングの実施

保健センターの小児保健診療サービスの向上のため、3月下旬の5日間で小児統合疾患管理トレーニングを実施しました。
保健省スタッフによる講義が行われました。

小児疾病統合管理という小児ケアの方法論とチェックリストの使い方を講義のなかで教えています。

その後トレーニングの演習を実施。
実際に地域の保健センターで診察に訪れた子どもの診察を実施しました。

施設整備モニタリング~医療施設内の衛生・整理状況の管理に向けて~

PHJはタッコン郡保健局スタッフと共に、村のサブセンター(一次医療施設)の衛生状況、器材や医薬品の整理状況の定期的なモニタリングを行っています。
この活動の目的は、PHJが支援した施設や供与した器材が適切に維持・管理されているかを確認すること、またPHJのプロジェクトが終了した後も、現地の人たちだけで適切な管理ができることを目指しています。
私たちの活動地であるタッコン郡では村のサブセンターに配属されている助産師や公衆衛生スーパーバイザーが施設の環境整備に務める役割があり、タッコン郡保健局が管理監督の役割を担っています。日本の医療施設では毎日清掃をし、衛生的に保つのが当然のことですが、ミャンマーでは清掃員がいなかったり、衛生的概念の違いなどから、適切に維持・管理することが難しい状況にあります。

サブセンター配属の助産師に指導するタッコン郡保健局のスタッフ

この活動が始まってから、清掃予定表を作成し、助産師が定期的に掃除するようになったり、供与した器材も適切に管理・維持できるようになってきました。
そして、管理監督しているタッコン郡保健局のスタッフもどこをチェックすればいいのか、モニタリングに慣れてきたようです。また、タッコン郡保健局の提案で、このモニタリングの際に、助産師の記録類の確認も行うようになりました。

助産師が作成した清掃予定表

モニタリングが定着し、現在ではタッコン郡保健局を監督しているネピド―公衆衛生局にもこの活動が評価されるようになりました。
今後は、プロジェクト終了後もモニタリングが定着するよう、モニタリング役の育成にも取り組んで行きます。

薬の消費期限を確認する新たなモニタリング役の地域保健センター所属スタッフ

2019年5月25日 カンボジアもぐもぐお話し会


東京・吉祥寺 アムリタ食堂のおいしいタイ料理(3品から選べます。)を味わいながら、カンボジア駐在歴7年のPHJ東京事務所の中田好美の話を聞くことができます。
カンボジアってどんなところで、どういう活動をしているの?駐在員の生活って?駐在員の仕事の大変なところや面白いところは?
---カンボジア農村地での駐在経験者ならではのお話しをアムリタ食堂の個室でゆっくり聞いてみませんか。
【日時:2019年5月25日(土) 12時から13時半まで】
●参加費:3000円(食事・飲み物代込み)※場所代、飲食代を除いた金額がPHJの寄付となります。
●お申込み方法:参加者のお名前、電話番号、所属、 を記載の上、メールinfo@ph-japan.org あるいはFAX 0422-52-7035 でご連絡ください。子連れの方も歓迎。お子様がいらっしゃる場合は、お申込み時に人数と年齢を記載ください。
●会場:吉祥寺アムリタ食堂(武蔵野市吉祥寺本町2-17-12)3F

スピーカー:カンボジア事務所長代行 中田好美

【PHJ東京事務所 海外事業部長 中田好美 プロフィール】
慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程、チェンマイ大学社会科学部持続的開発コース修士課程を経て、タイの山岳民族を支援するNGO で働く。帰国後在東京タイ王国大使館で勤務し、2006 年よりPHJ に入職。カンボジア事務所長として5年務める。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の公衆衛生修士課程を修了後、PHJ 本部に戻り、現職。

グイピン村で初のサブセンターを建築中

PHJの支援地であるグイピン村と周辺地域には約7千人の住民が暮らしています。
この地域では年間約130件の出産がありますが、一次医療施設であるサブセンターも分娩室もないため、約半数が自宅分娩をしています。そして、自宅分娩の約半数が無資格の伝統的産婆介助による出産です。

助産師の自宅がサブセンターの代わりに

そこでグイピン村で村人から土地を政府へ譲渡してもらい、PHJとタッコン郡保健局の主導のもと、助産師が診療や分娩介助を行うことができる施設として、サブセンターを建築することになりました。
現在、グイピンサブセンターの建築が開始されてから早1ヶ月半が経過しているところです。

サブセンター建築中

建築の際には、施工管理を担う業者も入り、建築物の質の確保に努めています。また、PHJは郡保健局や村人からなる建築管理委員会と共に進捗を確認し、定期的に会議を開いています。
完成は今年の夏頃になる予定で、土地を譲渡してくれた村人を始め、皆完成を心待ちにしています。

建築管理委員会との定例会議

建築したばかりの分娩室で新しい命の誕生

昨年9月に建設したインバコンサブセンターの分娩室で、新しい命が誕生しました。

(インバコンサブセンター建築に関してはこちらへ
今回が2回目の出産となる女性が朝6時に分娩室に入り、旦那さんも立ち会いました。

ミャンマーでは夫が出産に立ち会うことは滅多にありませんが、この夫婦は他の地域から転出してきたばかりで周辺に親せきや知人もいないため、夫が付き添うことになりました。
午前10時45分、約3㎏の元気な男の子が誕生しました。

この分娩室が村での安全なお産の場所として機能するよう今後もPHJはサポートしていきます。


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