栄養たっぷり!お粥の調理実習

村での調理実習キャンペーンを行いました。
この活動は、母子を含めた多くの女性に栄養ある子供のための食事の調理を広めていくために、月に1回1つの村で離乳食となる栄養豊富なお粥の調理を母子保健ボランティアと実践するというものです。
2歳以下の子供とそのお母さんのための活動ではありますが、とくに限定せずに呼びかけたところ
対象の母子の祖母の年代の女性や中学生なども以前より多くの女性と男性も数名、合計36名が参加してくれました。

様々な世代の女性が集まって調理実習スタート

 

中学生も調理をお手伝い

母子保健ボランティアは参加者と楽しくコミュニケーションを取りながら調理を行い、調理後は子供たちも含めて試食しました。

母子保健ボランティアとお母さんたちが協力して調理します

 

子供たちも試食。おいしいかな?

子供からおばあちゃんまで幅広い年代が集まり栄養たっぷりなお粥の作り方を実践することができました。

村の頼りになるボランティア 補助助産師トレーニングの開催

PHJの活動地であるミャンマーの農村部、タッコン郡では42名の補助助産師がいます。
補助助産師は中等教育修了後に6ヶ月のトレーニングを受け、自分たちが居住する村で助産師の指導・監督のもと母子保健サービスを含む公衆衛生活動を行っています。
政府職員である助産師とは異なり、補助助産師の活動は無償で行われています。
タッコン郡では1980年代から1990年代に育成された補助助産師が大半を占めており、補助助産師課程が修了してからの卒後トレーニングの機会がほぼありません。
補助助産師は村での公衆衛生活動を助産師と一緒に行いますが、助産師が不在の場合などは分娩介助を単独で行うこともあるため、知識や技術のアップデートはとても重要なのです。
タッコン郡保健局からの要望もあり、PHJでは2016年から補助助産師の卒後トレーニングを定期的に行っています。

トレーニングは2グループに分かれ、5日間に渡って行われます。補助助産師は専門教育期間が短いので基礎的な技術についての講義や模型を使った訓練を行っています。
参加者の中には補助助産師課程が修了してから、PHJのトレーニングを受けるまで1回もトレーニングを受けたことがない人や、いつトレーニングを受けたかさえ思い出せない人もいました。
「トレーニングは前に習ったことを思い出させてくれます。今回習った妊婦さんや赤ちゃんの危険兆候を村人に伝えていきたいと思います。」トレーニング終了後にはこんなコメントありました。

村に居住しながら村人の健康を守る補助助産師の存在は村人からも慕われています。また、配属されたばかりの若手の助産師にとって、年配の補助助産師はその土地のことをよく知り、住民との信頼関係が構築されているため頼りになる存在でもあります。
助産師と補助助産師が連携し、適切な母子保健サービスが提供できるようPHJは支援していきます。
>>詳しい活動内容・活動レポート一覧へ
>>ミャンマーの活動概要へ
>>TOPへ

お産をする施設がない村に分娩室を

PHJでは安全な分娩環境作り支援の一環としてタッコン郡ミャウッミェイ地域にサブセンターの建築を行っています。サブセンターは村にある唯一の一次医療施設で、人口三千から一万人に対して1施設の割合で建てられています。サブセンターには助産師と公衆衛生スーパーバイザーが1名ずつ配属され、一般診療から母子保健・公衆衛生サービスを提供しています。

ミャウッミェイ地域にあるインバコンサブセンターは数年前に建築されましたが、分娩室がありません。

この地域の出産は年間136件(2016年)。妊婦さんたちは遠く離れた病院や、自宅に助産師を呼んで出産をせざるを得ない状況です。
そこで、PHJでは日本NGO連携無償資金協力の支援を受けてインバコンサブセンターの分娩室の建設を行うことになりました。
タッコン郡保健局、村長、村人、建築会社から成る建築管理委員会が定期会議を行い、
建築の進捗具合を確認しています。また、外部の施工管理業者も入り、建物の質を定期的にチェックしています。

7月の完成に向けて着々と建築が進んでいます。

インバコンサブセンター分娩室の完成を村人は心待ちにしています。

ドラマを見ながら安全なお産を学ぶ

PHJでは村の妊婦さんや村人を対象に母子保健教育を2016年2月よりタッコン郡の農村部で行っています。
村の女性や村人に妊娠期や産後のケア、日常生活、異常兆候などの適切な知識を伝えることを目的に助産師が行っています。

今までは口頭やフリップチャートを用いての説明でしたが、新しい取り組みとして
ミャンマー保健省が制作した母子保健を題材にしたドラマを見てもらいました。
妊婦さんたちは大画面に映し出される映像に夢中になっていました。

ドラマの内容は、子だくさんの女性が妊娠するところから始まります。女性は助産師に出産時のリスクが高いからと病院での出産を勧められますが、自宅出産をし、出血多量で亡くなってしまいます。また、ドラマの後には分娩後や産後の異常兆候の説明もあります。
妊婦さんたちからは映像を見ながら学べるのでわかりやすいという声も聞かれました。
また助産師たちの間でも、評判が広がり自分が担当している村でも映像を使いたいという声も聞かれています。
今後も妊婦さんや村人が楽しく学べる母子保健教育を目指し、適切な知識が身につくように取り組んでいきたいと思います。

正しく説明できてる?母子保健ボランティアの家庭訪問

母子保健ボランティアによる家庭訪問をモニタリングしました。
この家庭訪問は母子保健ボランティアが妊産婦さんを訪問して保健知識の強化や意識改善を図る大切な活動であり、母子保健ボランティアが正しい知識をしっかり説明できているかPHJスタッフがチェックしました。
モニタリングは妊娠期と産後の2種類があり、3村で20人の母子保健ボランティアを対象となりました。
▼妊婦さんに説明する母子保健ボランティアをモニタリング


▼産後の家庭を訪問し新生児のケアについて説明しているところ

モニタリングをする中で健康を損なう恐れのある伝統的医療を続けているケースも確認され、今後も母子保健ボランティアと協力して正しい知識を普及していくことの重要性が感じられました。
今回モニタリングを行った母子保健ボランティアの保健教育スキルは妊婦健診、産後検診ともに高得点でした。
>>詳しい活動内容・活動レポート一覧へ
>>カンボジア活動概要へ
>>TOPへ


TOP