移動検診車でのHIV抗体検査を実施

2015年11月に、支援対象の高等専門学校のうち4校で、移動検診車を用いてのHIV抗体検査を実施しました。男子学生80名、女子学生59名の計139名が検査を受け、そのうち1名の女子学生が陽性の結果となり、今後、医療機関で再確認検査を受ける予定です。生徒たちは自ら検査を受けたことで、HIVエイズに対して問題意識を持つ機会にもなったことでしょう。プロジェクト対象の高専6校のうち、残り2校においても、11月中にHIV検査を実施していきます。

生徒間でHIVエイズの知識を確認

移動検診車による検診では1名ずつ慎重に検査を行う

教育プログラムや検査を通して予防の活動が広がる

保健センターの機能強化活動に成果

コンポンチャム州での3年事業は、10月に1年目が終了しました。1年目に展開した活動の1つ「保健施設の機能強化活動」においては、毎月保健ボランティア会議を開催し、保健センターと村との協働を目的に、村の保健ボランティアや保健センタースタッフ間で保健に関する問題を共有したり、保健センターのサービス改善のための話し合いを行いました。
また、PHJとして初めての取り組みとなる保健行政区スタッフによる保健センターに対する訪問指導を実施し、保健センターの衛生環境改善や、保健センタースタッフがきちんと白衣を着て時間通りに出勤する等、規律面においても改善が見られました。1年目はPHJスタッフが活動を主導してきましたが、2年目からは保健行政区スタッフや保健センター長が活動を主導する形を目指して行きたいと考えています。

保健ボランティア会議の様子

保健センターでの訪問指導の様子

病院スタッフ、支援を受けている親子とのミーティング

障がい児のリハビリや治療を行っているサンサイ病院において、作業療法士や栄養士などの病院スタッフと、PHJタイ・スタッフ、リハビリに通う8名の児童の家族が参加してミーティングを行いました。
始めに、作業療法士がリハビリのためのおもちゃについて、それぞれの子供の家庭で使えるように適切な指導をしました。その後、栄養士は栄養面について、それぞれの両親に必要な知識をアドバイスしました。また、栄養面で子供たちに適切な食事が用意できるよう、親のためのQ&Aセッションも行いました。両親が自宅で、子供のために用意できる多数の栄養食品ついて学ぶ機会となりました。

栄養面からのリハビリのフォローについて両親に話す栄養士

リハビリのグループワークに参加した親子

保健行政区のモニタリング評価ワークショップを開催

保健行政区事務所にて、第1期のモニタリング評価ワークショップを開催。保健行政区から3名、3モデル保健センターから5名の計8名が参加しました。本ワークショップの目的は、これまで一年間の活動と成果を保健行政区及び保健センターに報告・共有し、第2期の活動をより良いものにするため、参加者からフィードバックをもらうことにあります。活動毎の指標や事業の進捗、成果を確認し、積極的な意見交換が行われました。特に第2期の活動について参加者の希望を聞けたことは、今後事業を進めていく上で参考になりました。また、更新したPDM(プロジェクト・デザイン・マトリックス)を共有することもできました。
本ワークショップの最後に副保健行政区長より、これまで1年間のPHJの支援に対する感謝の意を伝えられました。また、これからも関係者と協力しながら、良い事業を実施してほしいと激励いただきました。

モニタリング評価ワークショップで話し合いをリードするPHJ現地スタッフ(写真中央の立った女性)

モニタリング評価ワークショップで真剣に話に聞き入る参加者

サブセンター予定地2村を訪問

10月中旬、サブセンター(助産診療所)の建築予定地であるカンター村(Kantar)を訪問。現在、助産師の住宅兼診療所として使われている建物では、村長はじめ村人たち20名近くが集まって歓迎してくれました。建物の中はベッドが2台あるだけで医療器具は見当たらず、電気もあるのかないのかわからない状態。お産の際は、助産師がその家に出向いて介助しているようです。サプセンターができれば、妊婦は診察を受けることができ、お産も安心してできるようになります。
もう一つのサブセンター建築予定地のアレージョン村(AlerKyun)は、中心部から2時間程の遠隔地にあります。村の入り口にある川は前日の大雨で増水したため、車で渡れずに歩いて行きました。生活の源である水は、共同の井戸に汲みに行くスタイル。新しいサブセンターは隣の村につづくメイン道路沿いに建てられるため、隣町からも利用しにくる人々が見込まれます。
村人の助産施設として機能する、新しいサブセンターの完成が待ち望まれます。

前日の大雨で川は増水。車では橋は渡れない

電気も水道もないが、一部ソーラー発電あり

助産師の自宅兼診療所

PHJ タイ スタディツアー2016 は中止となりました

===<PHJタイ スタデイツアー2016>は最少催行人数に達せず中止となりました===

<PHJ タイ スタディツアー 2016>~タイでHIVエイズについて学ぶ7日間~
かつてエイズ大国と呼ばれながら、政府をあげてHIV/エイズ対策実施に成功したタイ。この国で、HIV/エイズの「予防」、「治療」そして「差別」という3つのポイントを軸に学んでみませんか?10年間続けているHIV/エイズ予防に関するPHJの活動をはじめ、多様な団体を訪問します。

特徴 1.HIV/エイズについて多角的に学べます
特徴 2.事前説明会があるので安心です
特徴 3. チェンマイの食や文化、自然を楽しめます
日程:2016年2月7日(日)発 2月13日(土)着

参加費: 156,800円
ツアーの内容・応募要項の詳細はこちら
申し込み用紙はこちら

保健ボランティア会議を開催

支援対象3か所の保健センターにて、今期最後の保健ボランティア会議を開催しました。保健センターによって毎月ばらつきはあるものの、今月の同会議への参加率はまずまずだったと言えます。保健ボランティア会議を開始して半年が経過しましたが、現地スタッフによると、保健ボランティア会議を続けてきたことで、見た目にも変化が見られるようになりました。
例えば、保健センターの衛生環境が改善され、保健センタースタッフがきちんと白衣を着て、時間通りに出勤する等、保健センターの規律が改善されてきていることがうかがわれます。
・各保健センターの会議参加者
Orm Leu(オムルー)保健センター 11名中8名  参加率73%
Areak Tnaot(アレックタノット)保健センター 7名中4名 参加率57%
Khpop Ta Ngoun(クポッタゴーン)保健センター 11名中7名  参加率64%

保健ボランティア会議での話し合いの様子

保健ボランティア会議で真剣にメモを取る参加者

子供たちへの衛生環境改善の活動

バンテン州・セラン県・ティルタヤサ自治区のスジュン村では、衛生環境改善のための活動を行っています。
小学校の教育教材用に、スタッフが衛生指導でポスターを作成しました。子供たちに向けた衛生教育の活動ですが、必要な要素をまとめて形にするという行為は、若いスタッフ自身の教育にもつながります。ひとつひとつの活動を地道に行い、衛生教育の啓蒙活動を広げていきたいと思っています。

衛生指導のポスターを作成中の現地スタッフ

歯磨き指導、手洗い指導ポスター図案をスタッフで考案

保健教育のための現地調査

914日から2週間、タッコン郡のミャウミイェ地域保健センター及びニャオルン地域保健センターを中心とした地域において、現地調査を実施しました。
各地域での調査では、地域保健センターの医療スタッフに協力を仰ぎながら、アンケート調査を行うスタッフの手配、移動手段の確保、調査トレーニング、調査を進めてきました。
各地域保健センターでは、助産師、公衆衛生スーパーバイザー、保健アシスタント等の医療スタッフが調査実施地域に同行し、現場での取りまとめをPHJスタッフと共に行ってくれた為、スムーズに進めることができました。調査には、普段訪問しているアレージョン、カンター村以外の地域も含まれたため、通常のタッコンタウンシップ訪問時に訪れることができない、中心からかなり離れた地域を訪問できたことは有意義であったと感じています。

PHJスタッフによる現地調査の為のトレーニングの様子

助産師より、調査についての指導を受けるボランティアスタッフ

ボランティア調査員が村のお母さんに聞き取り調査を行う



4歳の男の子の心臓手術をサポート

タイくん(ニックネーム)は、4歳。チェンマイにおじいさんと一緒に住んでいて、時々おばさんの家に滞在することもあります。タイくんの母親はまだ十代。チェンマイから少し離れたランプーン県の工業団地で働いており、ひと月の収入は約6000~8000バーツ(20000~27000円)です。
「早産で産まれたものの、特に目立った病気もなく、普通の子どものように育った。」母親はこう話していましたが、タイくんの身体がとても小さいことを気にかけていました。ある時、地元の病院で検査を受けたところ、心臓に疾患がある事が分かりました。その後、別の病院を経て、最後はサポート体制が整ったチェンマイ大学病院に移り、2015年9月17日に心臓手術を受けました。現在は回復に向かっているようです。

病室のベッドでカメラに向かってポーズをするタイくん

回復に向けて、タイくんもがんばりました

タイくんとその家族から、お礼のお手紙が届きました。

To. PH-Japan, Daiichi-Sankyo (Thailand) Ltd. and Chiang Mai University Hospital.
Our family would like to thank PHJ for a great project that helped us with spending less money and building more confidence and strength in ourselves. We would like PHJ to continue implementing this great project in the future and forever. Thank you very much
(From Tie’s Mother )
「私たちの家族の収入だけでは、とうてい手術を受けることはできませんでした。私たちを援助し、励ましてくださったことを深く感謝します。このプロジェクトがこの先も続くことを願っています。」 (タイの母)

タイくんからもかわいいお礼の手紙が届きました


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