2名の看護師が集中講座を受講しました。

小児先天性心臓病手術支援事業では毎年数名の看護師育成を行っています。
過去の活動の様子はこちら
集中講座が8月にバンコクで開かれ、ランパン病院の看護師2名タッサネー・カモンさんとプレヤダ・パピチャヌンさんが受講しました。
下の写真はVSD(ventricular septal defect: 心室中隔欠損)という疾患について講義を受けているところ。当事業で支援している手術でもとても多い症状です。

インターン生が活動地を視察-Part2-

東京事務所のインターン生 永山さんの活動地訪問記、第二弾です。
前回は、セラン県ティルタヤサ自治区ススカン村での母子保健教育活動の様子をお伝えしました。
お伝えしきれない部分があったので、「Part2」としてティルタヤサ自治区診療所、栄養クリニック・教育センター、菜園の様子をお伝えします!
ティルタヤサ自治区診療所には救急車が常備されており、優しい女性スタッフが常駐していました。患者さんがいらっしゃらなかったので、お話を聞くことは出来なかったのですが、笑顔が溢れるアットホームな雰囲気から、充実度や信頼度をうかがい知ることが出来ました。

帰り際に、看護師さんからお土産にと、インドネシアではおなじみの果物「LengKeng(レンケン)」をいただきました。ライチのような味がして、甘くてとても美味しいんです!

最後に訪れたのは、栄養クリニック・教育センターとそこに併設されている菜園です。こちらにも助産師さんが駐在しており、必要な医療器具も揃えられているため、妊婦の急な体調の変化にも対応できるようです。

菜園では気候に合わせて、小松菜や白瓜、玉葱など日本でも馴染みのある野菜がたくさん育てられました。

その中に1つ、日本ではあまり見かけない野菜がありました。インドネシア語で「dawm pandang(ダウン パンダン)」と呼ばれています。独特な甘い香りがして、インドネシアではこの葉を入れてご飯を炊いたり、お菓子の香り付けや色付けに使われたりしています。
ビタミンやアミノ酸が豊富で、一説によると「消化不良」「腹痛」「発熱」「糖尿病」「皮膚病」「不妊症」等に効果があるようで、国民にとても親しまれています。
<ダウン・パンダン>
育てた野菜は村人たちが自ら収穫し、平等に分配します。菜園で収穫された野菜を利用して作る「栄養メニューコンテスト」も定期的に実施されており、村のお母さん達も活動に意欲的です。⇒栄養メニューコンテストの様子はこちらから

インターン生が活動地を視察-Part1-

8月12日、インドネシアのセラン県を、東京事務所のインターン生の永山さんが訪問しました。
下記が永山さん自身による視察の報告です。
前日に降った雨の影響で道がさらに悪くなっていて大変でしたが、セラン県中心部より約1時間半で到着しました。
視察させていただいたのは、セラン県ススカン村の地域保健センターとティルタヤサ自治区診療所、栄養クリニック・教育センター、そこに併設されている菜園です。
地域保健センターでは、母子保健教育活動が行われていました。
 
この保健センターに5年ほど勤めていらっしゃる、助産師のエティ( Eti )さんを中心に、30人ほどのお母さんたちが輪になり、和気あいあいとした雰囲気で活動をしていました。
 
今回の教育テーマは「妊娠における危険な症状や兆候」。話の内容は、出血や熱や嘔吐、それらへの対応などの基礎知識でしたが、村での出産にたくさんの不安を抱えているお母さんたちからはたくさんの質問が飛び、エティさんがそれら全てに丁寧に答えていました。
エティさん自身も現在7か月の男の子を持つ“先輩ママ”ということもあり、お母さんたちは彼女をとても信頼しているようでした。「相談できる相手は誰ですか?」という質問にも、皆さん口を揃えて「助産師さん!」とおっしゃっていました。
全体での活動が終わると、個別に薬の配布や体調のチェックが行われ、スタッフや助産師さんたちは、個人的な相談にも時間をかけて丁寧にアドバイスしていました。
 
お母さんたちが積極的に活動に参加していた様子から、村全体の出産や育児に対する意識が高まっているのを感じました。私の「出産は自宅でしますか?」という質問にも、「それは絶対に有り得ません。保健センターで出産します。」と全員が答え、教育活動によって意識が変化していることを実感し、とても嬉しく思いました。
 
エティさんも「PHJの保健教育にはとても重要な意義を感じています。まだ課題はありますが、実際に保健センターで出産するお母さんが増え、たくさんの子供を取り上げ、たくさんのお母さんを助けることができており、活動の手ごたえを感じています。」と充実した表情を見せてくれました。
文化の違う土地でプロジェクトを実施し、成果を上げるためには大変な努力と時間がかかることを痛感しましたが、それらには人々の意識をも変える力があるということも実感しました。
PHJでのインターンも残り4か月となりましたが、今回の経験を胸に、責任と誇りを持って、楽しく!活動に携わらせていただきたいと思います!
永山 日菜

ミャンマーでの活動に関する合意書署名式に出席

8月11日にPHJのミャンマーでの支援活動に対する
合意書署名式がミャンマー保健省で行わわれるため、
PHJ理事長の小田とスタッフの北島が出席しました。
ミャンマーでの事務所開設と活動開始に向けて大きく前進しました。
下記が北島の出張報告です。写真と合わせてお読みください。
8/10 
成田を出発バンコク経由 夕刻ネピドーに到着
8/11 
保健省にて合意書署名式と同時に医療機器の寄贈式が開催され、
保健省の局長と署名式に保健省内関係者30名が出席しました。

左から2番目:保健省 局長 右:小田理事長
今回の寄贈に関しては、テルモ株式会社より電子血圧計1000個、体温計1000個を
提供いただき、また寄贈品の移送については株式会社商船三井より支援いただくことができました。
母子保健医療担当の医師からも「地方では電力事情が良くないため
バッテリー内蔵の機器はとても助かります。」と感謝いただきました。
寄贈された医療機器については保健省がミャンマー国内の医療機関への
配分を決定し、送るとのことです。
8/12
支援対象となるタッコン・タウンシップ病院へ電子血圧計と体温計を50セット
寄贈するためタッコンへ移動。
ネピドーより北へ60キロのところに位置するタッコンに到着すると、
保健省よりDr.ChanNyeinAungが随行してくれました。
寄贈式にはタッコンタウンシップの医療局長、病院長が同席しました。
タッコン・タウンシップ病院(100床)は2011年末に完成し
比較的新しいためぱっと見たところ院内も明るくてきれいではありますが、
医療機器は圧倒的に少なく置いてあるベッドなどは
かなり質素といった印象でした。

分娩室

診察室

入院病棟
その後タッコン・ステーション病院(6床)を訪問しました。
舗装道路から脇道に入りSHVUE MYO村へ車で欄干のない橋を
わたり舗装をしていない道を入ります。
鉄道駅のそばにマーケットがありその先にステーション病院がありました。
タッコン・ステーション病院は、木造で1978年建設され、48村と5つのサブセンターを管轄しています。
医師1名、看護師1名で1日の外来患者が10~25名程度。

左から北島、小田理事長、病院医師(中央)、看護師
電気は自家発電、水は井戸水から。

木製のベットが置いてあるが
使用はしていないようで、天井の板が朽ち果てているところがある。

古い分娩台もあるが長い間使用はしていないよう。

病院の改築をはじめPHJのノウハウは充分活用されるものと思います。
村の様子はカンボジアの農村地に似ていました。

夕刻ネピドー国際空港よりバンコク経由成田に8/13朝到着しました。
2014.8.20

国際協力NGOが主催する就活カフェ シリーズ第一回【終了報告】

「研究員、開発コンサル、学生の3人の転活・就活ストーリー」

●開催日時:9月17日(水)18時45分~20時45分
●開催場所 武蔵野プレイス スペースC
国際協力を仕事にしたいけど、キャリアプランは?学生のうちに何をしたらいい?そんな悩みを抱えている学生の皆様に、今後の進路のための一助として、実際に国際協力の現場で働いている方と、国際協力を目指して企業への就職を決めた学生の方に、現在のポジションにいたるまでのストーリーを語っていただきました。当日の参加者は10名とこじんまりとしていましたが、熱心な方が多く、充実のイベントとなりました。
当日はまず、進行・アドバイザーとしてPHJスタッフの真貝が、国際協力の就活術全般について話しました。

ゲストスピーカーは三人。保健医療分野の開発コンサルタントの相田華絵さん(写真左上)、結核予防会の臨床・疫学 研究員の泉清彦さん(写真右上)、国際協力を目指し企業への就職を決めた大学生の原田晃帆さん(写真左下)。バックグラウンドの異なる三人の現在の仕事にいたるまでをお話しいただきました。


お話しの後は意見交換や相談の時間を設け、参加者同士で悩みを共有したり、アドバイスの時間を設けました。
終了時間を延長して遅くまで質問をされている方が多かったことが印象的でした。
次回はもう少し質疑応答タイムの時間を増やそうと考えています。

参加いただいた皆様ありがとうございました。
次回の就活カフェは12月半ばに「企業経由でNGOへ」というテーマで実施する予定です。

看護師・助産師育成学校に医学図書を寄贈

6月25日に、成田コスモポリタンロータリークラブ様からのご支援をいただき、PHJを介して、カンボジア・コンポンチャム州のRTC(看護師・助産師育成学校)に61冊の医学図書を寄贈しました。これらの図書は、保健省の人材開発局のスタッフをはじめ、RTC教授陣、国際保健機関スタッフが、看護・助産師教育のニーズに沿って選択したもので、看護学・助産師学に関する幅広い分野がカバーされています。
 
これに伴って、医学図書寄贈式が行われました。
式は、RTCを紹介するプレゼンや日本語を交えたスピーチなどが準備されており、感謝の気持ちにあふれた式でした。
 
以下、寄贈先の方々よりメッセージをいただきました。
【コンポンチャムRTC学校長より】
私がこのRTC学校長に就任して以来このような多数の医学図書を寄贈いただけたことはかつてなかったので、大変大きな喜びを感じています。成田コスモポリタンロータリークラブ様からいただいた医学図書を多くの生徒に使ってもらうために、学校内の図書室で適切な場所に保管し、管理することをお約束します。また、生徒だけの利用だけではなく、RTCの教師たちも、生徒に教える上での教材作りなどの参考文献として利用できるようにします。今回たくさんの医学図書を寄贈頂き誠にありがとうございます。
【コンポンチャム州保健局母子保健チーフより】
PHJには州保健局への支援だけではなく、コンポンチャムRTCへの支援をいただいたことを大変ありがたく思います。医学図書はRTCの生徒にとって必要不可欠で高い価値のある支援です。彼らがここで学んだことが将来自国の母や子を助けることにつながるからです。医学図書の支援は、お金の支援よりも価値があるものだと私は思います。それだけ、RTCでは最新の医学図書を必要としていました。このように本当にたくさんの医学図書を寄贈頂いた、成田コスモポリタンロータリークラブ様、PHJ様に心から感謝します。ありがとうございます。
【RTC生徒より】
私にとって今もっとも興味があり必要である知識は、分娩介助とヘルスプロモーションの技術についてです。ですから、それらに関する医学図書を多数寄贈してもらい本当に嬉しく思っていますし、それを私たちが利用できることを誇りに思います。これらの本に日本からたくさんの資金を使って頂き、本当にありがとうございます。私たち生徒は寄贈本から得た知識を、RTCの学業期間、そして卒業後もカンボジアの人々のために使いたいと思います。本当にありがとうございました。
 
 

プロジェクトの完了に向けて

■プロジェクト完了調査
プロジェクトのキーパーソンである保健ボランティア、母子保健ボランティア、伝統的産婆の各グループ対して、プロジェクトがもたらした意識や村の変化や、成果などを聞き出すグループインタビューを実施しました。
「変化]「効果」「持続性」の3つのカテゴリーで質問を準備し、計15項目程度の問いに対してそれぞれのグループが自由に話し合いました。

保健ボランティアのグループインタビューの様子
■保健搬送システムの村会議
運営に課題が残されていたタノッチュム地区Thmei/Bantea Chas村の保健搬送システムにおいて、課題を村全体で話し合う村会議を運営委員会が開きました。
大きな課題としては会員費をきちんと集金できないことだったのですが、運営委員会で何度も話し合い、このような村会議を開いていっぺんに会員費を集金しよう、との結論になりました。
村会議では、保健搬送システムの意義や、会員をきちんと支払うことでシステムの持続性が増すといったようなメッセージが再度伝えられました。

村の運営委員が村人から会員費を集めている様子

お菓子で栄養改善

クマニサン村とスジュン村で行われた、野菜と果物を入れたドーナツで、栄養改善を目指そうという取り組みです。

デモンストレーションを取り入れたセミナーを開催。お母さんたちは真剣に話を聞いています。

たくさんの野菜や果物を細かく切り、ドーナツに混ぜいれます。
これなら野菜嫌いの子ども達も、おいしく栄養を摂取することができます。

片手で手軽に食べることができるのも良い点ですね。
男の子も、Enak!(おいしい!)といった満足げな表情です。


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