COVID-19対策に医療物資を寄贈と啓発活動を実施

4月末にPHJ事業地のストゥントロン保健行政区より、COVID-19の感染予防対策のために支援要請がありました。PHJカンボジア事務所は、 PHJの事業対象である4保健センターを含む、ストゥントロン保健行政区管轄の全12保健センター、保健ボランティアや母子保健ボランティアに対する物資の寄贈と、手洗いなど感染予防の啓発活動を実施しました。

ストゥントレン保健行政区と保健センターへの物資寄贈

【寄贈した医療物資一覧 (総額約80万円)】
・ストゥントロン保健行政区内の医療施設への支援
1、非接触体温計:12台(12保健センター)
2、マスク(50枚/箱):494箱(保健行政区、地方病院、12保健センター)
3、消毒液 (1.0リットル):120個(12保健センター)
4、消毒ジェル(500㎖):240個(保健行政区、地方病院、12保健センター)
5、感染予防啓発活動費:(12保健センター)
・保健ボランティア・母子保健ボランティアへの支援
1、マスク(50枚/箱):3箱
2、医療用手袋 (100枚/箱):3箱
3、消毒液 (1.0リットル):4個
4、石鹸:168個
5、ペーパータオル:4個

保健行政区長が非接触体温計を保健センタースタッフに配布
保健ボランティア会議にて手洗い啓発活動実施
保健ボランティア会議(各ボランティアへマスク、医療用手袋、石鹸を寄贈)
区の役人による村へのCOVID-19感染予防啓発活動

感染拡大予防のなかでの母子保健サービス継続と向上を

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大予防のため、ミャンマー政府は、5人以上の人が集まる行事の禁止、不要不急の外出の自粛、外出時のマスクの着用、などの措置を講じています。

医療従事者は各地で、体温測定や咳等の感染症状の有無を確認するため24時間体制で勤務にあたっています。そうした医療従事者に必要な医療物資が届けられるよう、PHJは、保健局からの要請に応えて医療物資の緊急支援を実施してきました。緊急支援した医療物資は、タッコン郡・レウェー郡内の病院や施設、各地の検査で活用され、感染拡大予防に貢献しています。

また、このような状況の中でも、妊産婦さんや赤ちゃんは通常時と同じように保健サービスを必要としています。Stay Homeを実施する村びとの健康を守るためには、地域の助産師さんの存在が重要です。
PHJは、助産師の医療技術を維持・向上させるため、助産師スキル・モニタリングの実施をサポートしています。
5月から、以前実施したスキル・モニタリングの結果を助産師さんとともに復習する機会を各地域医療保健センターにて設けています。
COVID-19の影響で医療者月例会議が中止されているため、監督者である政府職員との連携や継続教育の機会が減っている助産師にとって、この機会にひとりひとりが自身の医療技術を振り返り向上させることができただけでなく、スーパーバイザーである政府職員と助産師の連携強化にもつながっています。

運営委員会・保健ボランティア会議で新型コロナウイルス対策支援

保健ボランティア、保健行政区長、保健センタースタッフがコミュニティーの保健状況を情報共有する大事な場である「運営委員会・保健ボランティア会議」がクボッタゴン保健センター、オームルー保健センター、ビアムコスナ―保健センターにて開催されました。
会議では通常、保健教育活動の情報共有をしますが、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、ゴム手袋、マスク、石鹸が保健ボランティアに配布されました。
合わせて保健センタースタッフは、感染拡大の防止策についての指導や、タイなどからの出稼ぎ労働者が帰還した場合に14日間の隔離が義務づけられていることなどの情報を保健ボランティアたちに伝えました。




新型コロナウイルス感染予防に向けて、保健ボランティアも重要な役割を担っています。

COVID-19対策に医療機関へ緊急支援物資を寄贈

PHJミャンマー事務所は、3月末に事業地であるタッコン郡保健局とレウェー郡保健局より新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の感染疑い者への検査・治療のために必要な医療物資の寄贈依頼を受け、感染拡大を予防し地域住民の健康を維持するため4月7日、4月8日に寄贈を実施しました。

COVID-19のアウトブレイクが世界的に拡大し、ミャンマーでも3月23日に感染者が発表され、その後徐々に感染者が増えています。
こうしたなかでミャンマーの水祭りと旧正月である4月10日~4月17日にタイからの大勢の帰還労働者の入国による感染拡大が懸念されています。
そこでタッコン郡保健局とレウェー郡保健局は今後のCOVID-19の感染拡大対策として、帰還労働者や感染疑い者に対して感染症状の検査、治療する際に必要となる医療物資の寄贈を依頼しました。
この要望にいち早く対応するため、PHJは4月7日にタッコン郡保健局へ、4月8日にレウェー郡保健局へ下記の物資(総額約50万円)を寄贈しました。今後、各保健局が病院や地域保健センターに配布する予定です。
【寄贈した医療物資一覧 (総額約50万円)】
1:非接触体温計:15台(タッコン郡保健局:8台、レウェー郡保健局7台)
2:マスク個数:107箱(タッコン郡保健局:61箱、レウェー郡保健局46箱)
3:アルコールジェル 2L 個数:70本(タッコン郡保健局:40本、レウェー郡保健局40本)
4:医療用手袋(Mサイズ) 個数:77箱(タッコン郡保健局:44箱、レウェー郡保健局33箱)

タッコン郡保健局への寄贈

レウェー郡保健局への寄贈

なお、PHJミャンマー事務所は3月末にタッコン郡保健局長と今後の支援活動の実施方針について協議し、『参加者が社会的距離を保てない集会は禁止』という方針に基づいて助産師の教育や母子保健教育、定期会議などの一部の活動を5月以降に延期することなどを決めています。

より効果的な子どものケア教育活動ためのブレインストーミング

医療機関のスタッフが集まり、ブレインストーミングセッションを実施しました。
目的は住民に対し子どものケア教育をより効果的に実施すること。
保健省のスタッフがファシリテーターとなり、州保健局スタッフ、保健行政区長、担当保健センター長と助産師が参加しました。
ファシリテーターのリードにより、皆が自由に意見を出し合っています。

よりアイディアを明確にするために少人数でグループワークを実施。
最後にまとまった意見を発表しています。
PHJスタッフはこれらの発表をもとに、小児疾病統合管理(IMCI)、栄養、衛生をテーマにした教材作成をこれから開始します。

「感染予防」をテーマに助産師卒後研修を実施

助産師を対象に「感染予防」をテーマにした卒後研修を行いました。

ミャンマーの助産師は学校を卒業後、実地訓練の機会がないまま任地へ派遣されます。
その後は、人口3000から10000人の地域を1人で管轄し(サブセンターの場合)、母子保健だけでなく地域保健業務全般を担っています。
派遣後も定期的な研修はないまま、現場での医療保健にあたることが多くあります。
そのため、PHJは助産師が確実な医療知識と技術を身に着けられるような教育の場として、助産師卒後研修の実施をサポートしてきました。
事業3年目にあたる今年は、これまでの卒後教育が今後も継続的に実施されるように、保健局の月例会議内に継続教育の時間を組み入れた研修を開始しました。

2月のテーマは、「感染予防」。医療の現場でHIVやB型肝炎等の感染症を予防するために大切な知識です。
また、2月の時点でも世界で感染が拡大している新型コロナウイルスの感染予防行動も改めて助産師たちに伝えられました。
研修は、保健局のスタッフが指導者となり、標準予防策や手指衛生の方法等に関して、デモンストレーションを交えた参加型で教育していきます。

ミャンマーの地域保健を担っている助産師たちが、助産師学校を卒業した後も医療者として知識を高め続けるために、継続教育はとても大切です。研修で学んだ知識や技術を各助産師がそれぞれの管轄地域へ戻って地域での医療活動に還元することで、「以前よりも地域住民から信頼され、頼られるようになった」という声を聞くことができました。
このような継続教育の機会が現地当局主導で継続されるよう、これからもミャンマーの医療スタッフと力を合わせて取り組んでまいります。

ミャンマー政府関係者との事業評価会議を実施

2017年に始まった現在の母子保健事業も残すところ8ヶ月です。

最終年である今年度の中間となる2月に、ミャンマー政府関係者とともに、事業評価会議を開催しました。
ミャンマー政府からは、ネピドー公衆衛生局局長、タッコン郡保健局タウンシップ院長をはじめとした関係者8名、PHJからは、スタッフ全員が会議へ参加し、これまでの事業成果と計画を共有しました。
PHJは、これまで医療施設の足りていなかった地域への一次医療施設の建設や助産師・補助助産師の能力強化、地域に住む村びとの保健知識の向上や、村と医療スタッフをつなぐ母子保健推進員の育成などを含めた、5つの活動を実施しています。
これらの活動の成果として、自宅出産率の減少や妊産婦健診率が向上していることなどを共有しました。タッコン郡内では妊産婦死亡数の減少傾向が見られており、ネピドー公衆衛生局からは、PHJのタッコンでの取り組みに対して、高く評価されました。

さらに、事業終了に向けて、現在の各活動を現地スタッフが主体的に継続するための仕組みづくりへの取り組みと計画の概要を共有しました。ネピドー公衆衛生局からは、事業終了後も活動が継続することの重要性について、再度各関係者へ伝えられました。
ミャンマーは、医療者不足やインフラの未整備による医療アクセスの難しい地域等、安全で安心な出産環境までは課題が山積みです。会議では、そのような状況を少しでも改善しようと、保健医療に関わる各関係者ひとりひとりが、地域住民のいのちについて真剣に考え話し合う場となりました。

産後ケア室の地鎮祭

クボッタゴン保健センターで産後ケア室の建設を始めるにあたって地鎮祭が行なわれ、
保健センタースタッフ、村人、区長、PHJスタッフが参加しました。

地鎮祭はその土地に住む神々へお供え物をささげて建設の無事完了を祈ります。
カンボジアには多様な宗教があり、儀式はヒンズー教の様式で行われました。
村人が朝早くからきて準備をしてくれました。産後室の完成を楽しみにしているようです。

神々へのお供え物です。

儀式が始まりました。祭祀たちがお経を唱えています。

保健センター長と区長がお供えする穀物を祭壇になげています。

用意されたお供え物をお盆に乗せ、祭壇の後ろ側に置きます。神々の領域を象徴する祭壇の向こう側にお供え物をして儀式は終わりです。お盆はバナナの木の葉っぱで作られています。

最後に建築現場で建築の成功を祈り、祭祀は清めのため土地に聖水をふりかけました。

村びとの協力のお陰で、儀式は無事に終了しました。


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