6月に入り雨季が本格化し、スコールが降る日もあります。
PHJカンボジア事務所前の道路は水没し、
車が通るたびに水があふれ駐車スペースに水が入ってきます。
というわけでPHJカンボジア事務所は洪水が起こらない地域へ引っ越し中です。
農村地域の道、雨季はこういう状態です。
活動への影響としては、田植えが忙しくなり
保健教育などの活動に参加できなくなる場合があります。
6月は25村での保健教育を実施しました。
トピックは「予防接種」です。参加者は全部で654人(そのうち15歳未満の子供が270人)。
一村につき26人の参加者がありました。保健ボランティアで参加した人は50人中39人でした。
野良仕事があるため、村長に人集めを託して不在にする保健ボランティアもいました。
カテゴリー: 活動内容
PHJの活動内容
歯のケアについて講義
ピア教育ルーム、続々
5月は3つの高等専門学校で、ピア教育ルームの開所式を開催しました。5月19日のCICEC高等専門学校では、VIP20名、ピアデュケーター20名、学生500名が出席しました。出席者の数からしても、この活動に対する学校全体の関心の高さがうかがえます。在チェンマイ日本総領事も出席し、MOFA助成金に対する謝辞をうけました。
学生500名が参加!
ピア教育ルームの内装
外から見たピア教育ルーム
保健センター運営支援1年目の変化
2015年4月から開始した保健センター運営の活動が1年経過し、
変化が見え始めています。
たとえば
スタッフが理由なく不在のこともあった保健センターに
スタッフが常駐するようになったり、
器材の管理、衛生状態の管理も向上
し始めているとのこと。
また地域のニーズに応えられる
質の高い保健センターを目指して、
保健センター運営委員と保健ボランティアの会議では、
保健ボランティアが遠慮せずに言いたいことを言えるようになってきました。
村人の意見(困ったことや良かったこと)が伝えられ、保健センタースタッフもきちんと検討するようになった
とのことでした。
会議を通して、地域と保健センターの信頼関係が構築されると、
治療や健診、出産のために、
保健センターに出向く人も増えていくことが期待されます。
薬剤師さんによる薬の話
サンサイ病院で開催された月例の健康教育に、9人の患者さんが家族と参加しました。そしてPHJスタッフと病院の薬剤師さんが、薬を飲むにあたっての基礎知識や栄養や薬について話をしました。
さらに個々の患者さんが実際に普段処方されている薬について、個別に相談を行いました。
患者さんのご家族に実際に薬を持ってきてもらい、処方されている薬に関する説明したり、相談を受けたりしました。
薬と接することの多い患者さんでも、飲んでいる薬についてよく知らないなんてことは珍しくありません。
薬のことを知り、付き合い方を学ぶことは、主体的に治療に向き合うこと。自立支援のPHJにとって意義ある取り組みです。
ピアエデュケーターとしての成長
1月半ばにチェンマイの高等専門学校向けに実施しているエイズ予防教育のレビュー会議が行われ、
6校それぞれのピアエデュケーター代表が、半年間の成果を発表しました。
各学校では映像やパンフレット、歌、漫画などをさまざまなメディアを使ってエイズ予防の
啓発活動をしているその内容を紹介してくれました。
どの学校も短期間で驚くほどクオリティの高いメディアを制作していました。
その後、高等専門学校2校を訪問し、ピアエデュケーターへのインタビューを行い、より詳しい話を聞きました。
ジャンラヴィ高等専門学校(看護師、医療アシスタントなどを目指す医療系学校)のピアエデュケーターたち(下写真)の話を紹介します。
医療系の学生でもHIV/AIDSに関する知識レベルは様々で「きちんと理解したのは初めて」だったそうです。
PHJの教育活動に参加したおかげでチームで働くことを学び、勉強の合間を縫って、他の学生に伝えるピア教育の準備をし、
大変ではあったけど、ピア教育を終えた後は達成感があったとのこと。
学校職員からも「学生たちは将来医療機関で働くので身体や性について話すことになれることはとても重要です。それでなけでなくチームで働き、大人としての責任と自信を持つようになった」という言葉をいただきました。
PHJのエイズ予防教育は、エイズ予防という枠を超え、学生の主体性を引出し、チームワークやコミュニケーション力を高めるなどさまざまな可能性を秘めている活動であるということを感じました。
保健センターの運営の支援とは?
たとえばけがをしたり、病気になったりして、
病院に行くことを想像してください。
(二輪バイクで保健センターまで、という光景はよく見かける)
まず、病院にいくまでの道のりが遠い。
たどり着いた病院は、施設そのものが老朽化し、
清潔からは程遠い状況。
スタッフもぶっきらぼうに対応する。
そもそも、スタッフがいないことさえも珍しくない。
(支援地域の保健センターの内部)
そんな病院にあなたは行くでしょうか。
カンボジアの支援地域の保健センターは上のような状態が
珍しくありません。
PHJがカンボジアで実施している「保健施設機能強化」というのは、
そうした保健センターのハード・ソフト両面でサポートし、
患者さんや妊産婦さんが訪れたいと思う環境を
整えることを目的にしています。
保健センターの運営状況を確認する月一回の会議。
保健センターの衛生管理、器材管理、会議の実施などが
きちんとなされているかを確認します。
さらに保健センターに訪れる村人の声もここで反映されます。
たとえば二月のミーティングでは保健センターに行ったのに
助産師がいつもいない、という声が村人からあがってきている
ことについて話し合いました。
こうして問題を把握し、そして改善に向けて対策を考える
機会となるミーティングはとても重要です。
毎月の会議を繰り返すことで、
支援地の保健センターは大きく成長するでしょう。
インドネシア 過去のプロジェクト 医療機器技術指導
PHJは、現地で不足している医療機器の寄贈、また現地において故障したまま放置されている機器の修理・調整、さらには医療スタッフや保守技術員の技術向上教育を行っています。1997年からはバリ州東地区の公立病院で医療機器技術指導を行っています。この事業は、画像診断装置による病気診断技術を向上させるために、現地専門医師や日本の専門医師・技師を派遣するなどの技術指導教育研修を毎年定期的に実施しています。
バリ州東地区ギアーニア県は、県保健局・病院共に医療改善意欲が高いことから、今後は中核病院であるギアーニア病院では乳がん診断等の新分野への展開を計画しています。
活動レポート
これまでの活動について
PHJがインドネシアで最初に着手した活動は、日本のODA資金によって1990年代に建設されたバリ州デンパサール地区のサングラ救急病院での医療機器技術指導でした。予算不足と補修技術の不足により半数近くの医療機器が故障したまま放置され、患者の病気診断と治療に支障が出ていて、立派な病院の機能が生かされず困っていました。PHJはインドネシア保健省、バリ州保健局と協議し、故障機器の調査、修理交換部品の支援、さらに医療スタッフや保守技術員の技術向上教育を行い、1999年までの3年間でサングラ病院を含む4つの公立病院の90%以上の医療機器を稼動させました。
また、産婦人科分野でも装置を支援するとともに日本から専門医師を数人に派遣して画像診断技術を伝授しました。
2002年には口腔衛生教育プログラム実施しているバリ州東地区ギアーニア県での超音波画像診断技術を向上させるために、公立病院の医師を日本の有力医科大学病院に招聘しました。
2005年には、ギアーニア病院のバリ東地区の中核病院構想に協力してX線CTを支援しました。X線CTの運用と画像診断技術習得のため3名の現地医師を招聘し技術研修を受けてもらうと共に、設置後は日本の有力病院の協力を受けて検査技師を派遣し、画像診断技術(超音波を含む)を現地の医師・技師に教育しています。(毎年継続実施)
チャリティカレンダー用のお絵描きをセラピーの一環として実施
年間分娩件数600件の保健センターとは?
あらためてカンボジアの保健センターについてご案内します。
保健センターは住民に最も身近な保健施設。保健センターでは予防接種や妊婦健診、分娩介助などの保健サービスを住民に提供しています。しかし、サービスを提供するための人材が不足しているため、PHJは人材教育を支援しています。
そうしたなかでも、住民に頼られる優秀な保健センターもあります。
↓
下の写真に写っている生まれたばかりの赤ちゃんがいるのは
メサー・チュレイ保健センター。
ここの保健センターの出産件数はなんと年間600件。単純計算で1日2件弱。
他の保健センターで年間100件にも満たないのですから、地理的に有利な点があったとしても、この数字は目を見張るものがあります。
この保健センターに腕の良い助産師が大勢いるのかわかりませんが、
ここの強みをほかの保健センターにも共有することで、保健センターのレベルアップのきっかけになるかもしれません。
続いてほかの保健センターをご紹介します。たとえば下のオウ・ムルー保健センター。隣に小学校が併設されています。
今日は、若い夫婦が生後1か月くらいの赤ん坊を連れてきています。
予防接種を受けていました。これから頑張って育ててください!