実習形式の助産師トレーニングを開催

6月3日~29日の27日間に亘って、実習形式の助産師トレーニングを開催。4名の保健センター助産師がコンポンチャム州病院にてトレーニングを受けました。
本トレーニングの目的は、普通分娩を一人でも介助できるようになること、危険サインを察知し速やかに病院に搬送できるようになることでした。
助産師育成計画策定会議で合意した内容に基づいて、実習及び講義を実施。一日のスケジュールは、午前に病院で実習を行い、午後は講義を実施し、夜は交替で病院で勤務しながら実習を行いました。
参加した4助産師は皆とても意欲的に学んでおり、トレーニング開始前に実施した事前テストの結果(平均38%)に比べ、トレーニング後に実施した事後テストの結果は平均94%と大きく改善。また、全4助産師が目標としていた普通分娩介助10回をクリアしました。

助産師トレーニングで実習を行う保健センター助産師(中央)とトレーナー

お産で使用する器具の手入れを行う保健センター助産師

助産師トレーニングで講義を受ける4名の保健センター助産師

心臓病手術を受けた1歳児のその後・・・

 

ナムシップちゃん(ニックネーム)はかわいい女の子でしたが、体重が標準よりもかなり小さい子供でした。11か月の時、心配した両親が地元のクリニックに連れて行ったところ、心臓の鼓動に異常が見つかり、更なる検査のためにプレー病院を紹介されました。そこでの検査の結果、心臓病と診断され、ランパン病院に運ばれた後、2013820日、心臓の手術を受けることができました。

 

 

 

手術から2年が経過し、ナムシップちゃんは3歳になりました。ふだんから食の細い、小さな女の子ですが、家の近くのプレ幼稚園に行く予定です。 とてもはずかしがり屋で見知らぬ人とあまり話をしませんが、お友達と遊んでいるときは、元気いっぱいです。

 

 

親からのメッセージ:2年前に娘が心臓手術を受けた時は、このプロジェクトについてあまり知りませんでしたが、娘の心臓手術費を支援くださったドナー企業、PHJにもとても感謝しています。

 

 

菜園事業の継続・拡大を目指して

今月はすべての活動の評価の為の聞き取り調査を行っている段階です。調査結果は追って報告する予定ですが、講習は全般的にボランティアからも好評で、練習を兼ねて行った母親への講習後にも、既に何人かの母親は紹介されたレシピを元に自宅で調理をしており、子供達に食してもらっている事も確認出来ています。

母親への聞き取り調査を行っているPHJスタッフ


対象人数の多い調査の為助産師学校の学生さんにも手伝って頂きました


物被害や害虫被害があちこちで出ていますが、引き続き多くの村で収穫が有り、その都度村内で必要な母子へ配布されている。ポンタレゴン・ススカン・テンクラ・サンパルワディ村以外の菜園は、村のサポートの元でPHJサポート終了後も運営継続が決まっている事が確認出来ています。また半分以上の村で、村のサポートも得られ菜園が継続されることとなり、活動が広まっていくことを願うばかりです。

■菜園活動のモニタリング結果(13村にて実施。一部抜粋)

・栽培中・・・ホウレンソウ、きゅうり、ケール、トマト、キャッサバ、オレンジ等
・水源・・・川3村、井戸3村、個人宅2村、診療所2村、村ホール1村(活動なし2村)
・問題・・・鶏被害、害虫被害

ボランティアの協力のもとに整備された畑。収穫物は村の子供や妊婦のいる家に配布されます



診療所の利用数は増加傾向へ

地域保健システム強化事業の一環として、支援先の村で助産所、診療所の利用を推めています。2015年5月の助産所・診療所の利用状況は、14村全体での助産所利用者数は合計593人。医療施設での出産介助も同様に維持できています。今月は伝統産婆による出産介助例の報告もありませんでした。診療所からの取組みが功を奏しているのか、今後も続くことを期待しています。
今月は、スジュン村にヤンティ助産師が赴任してから待望の出産介助例3件の報告がありました。助産師を他の村より赴任させた試みでしたが、ヤンティ助産師の努力、そしてPHJの働きかけも補助的役割を果たし、地元村民から受入れられていったのだと思います。出産した母親達へのインタビューを今後、実施する予定です。

助産所で妊娠時の栄養についての助産師から指導を熱心に聞き入る妊婦達

助産所で助産師より定期健診を受ける妊婦

助産所で出産し、無事に誕生した赤ちゃんと母親

保健知識ワークショップやトレーニングなどを開催

保健ボランティア対象の保健知識ワークショップ、ファシリテーションスキルトレーニングを3保健センターで2日間にわたって開催しました。今回の保健知識ワークショップでは「下痢・衛生」、「デング熱・マラリア」の2トピックを扱い、ファシリテーションスキルトレーニングでは保健教育実施時の村人へのプレゼン方法や、保健教育フリップチャート(紙芝居)の使い方等についてトレーニングを行いました。
参加率については、保健センターによりばらつきがあり、これまで比較的どのミーティングやワークショップでも参加率の高かったKhpop Ta Ngoun保健センターの参加率があまり良くありませんでした。原因について現地スタッフや保健センタースタッフと分析し、フォローしていく予定です。
Orm Leu保健センター 26名中22名(85%)
Areak Tnaot保健センター  10名中6名(60%)
Khpop Ta Ngoun保健センター  14名中8名(57%)
※ファシリテーション:会議やプロジェクトなどの集団活動がスムーズに進むよう、また成果が上がるように支援することをいう。

モニタリング評価ワークショップで説明に聞き入る参加者

保健ボランティア対象のファシリテーションスキルトレーニングで保健教育フリップチャートを使用して発表する保健ボランティアの男性

保健ボランティア対象のファシリテーションスキルトレーニングで保健センター助産師の説明に聞き入る参加者

高等専門学3校にピア教育ルーム新設

HIV/AIDS予防教育の一環として、タイで行われているHIV/AIDS予防ピア教育*。教育を広げる場として使用するピア教育ルームを、3年間で18校開設を計画しています。2年目の今年も新たに3校の開設が決まり、合計で9校が開設。これまで3万人以上の大学生、5千人以上の高等専門学校生にピア教育が広められて来ました。
新設3校のうち1校での新設を祝う式典には、40名の生徒、15名の招待客、20名のピュアエデュケーターが参加。オープニングではPHJタイの所長がHIV/AIDS予防ピア教育の必要性をアピールし、民族舞踊なども披露され華やかな式典が開催されました。来賓には青木チェンマイ総領事,堀越チェンマイ領事も駆けつけられ、この事業に対する政府の評価の高さ、今後の期待値を感じさせるイベントとなりました。新規の教育ルームを通して、HIV/AIDS予防のピア教育がさらに大勢の学生に広まっていくことが期待されます。
* ピア教育とは、同世代間で知識・スキル・行動を共有する教育のことであり、それを行う同世代のリーダーをピアエデュケーターといいます。
スピーチをするジラナンPHJタイ所長
青木総領事もオープニングでスピーチを
伝統的な衣装を着た民族舞踊も披露された
ピア教育を行う際に使用するピア教育ルーム

2016年カレンダーはアジアの「動物の親子」をテーマに作成中です!

2016年のカレンダーの制作準備が始まりました。今年はアジア「動物の親子」と題し、身近な動物達がデーマです。
タイ、カンボジア、日本の小・中学生が、楽しく、生き生きと、思い思いの動物を描いてくれました。

 

タイの小学生たち
 

 
カンボジアの小学生たち
 

 
 
 
 
 
日本の小学生

テーマが決まってからは、どんな内容にしようか、テーマカラーは?色々な意見を出し合います

今年も個性豊かな、楽しい作品がたくさん届きました。

最終的に12点を選び出ださなくてはなりません。毎年迷いに迷います!
 
 

保健センターが明るい雰囲気に一新!

保健センター設備支援として、Areak Tnaot保健センターの外壁及び内壁のペンキ塗りを行いました。業者にきれいにペンキを塗ってもらい、見違えるように明るくなりました。
「同保健センターは建物の老朽化が進んでいるため、毎年何かしらの改修・改築を行って、見た目にも魅力的な保健センターとなるよう努めたいです」(所長)
また、Orm Leu保健センター区域の井戸のポンプが壊れてしまい、是非支援してほしいとの依頼を保健センター長より受け、ポンプを提供しました。ただ、ポンプの使い方にも問題があるようであるため、助言を行った他、定期的にモニタリングを実施してポンプが適切に使用されていることを確認する予定です。

改装前の保健センターはかなり老朽化が進んでいました

内装も手を入れて、明るい室内になりました

すっかりきれいになり、黄色が印象的な外観に

大勢の人が利用しやすい施設を目指します

野菜の栽培・利用で栄養改善に一役

栄養改善教育の一環として行っている、ボランティアの方を対象とした栄養講習も第2フェーズが終了しました。現在は各村1地区で実際に母親達へ栄養教育を行う講習を行い、自信をつけてもらった後、自主性に繋げてもらうというアプローチを実施しました。
この活動も最終段階に入り、レシピカードを印刷・利用してメニューの紹介を行い、母親たちが実際に家庭でこの栄養メニューを作ってもらうことを狙いとして活動を進めています。
■菜園活動のモニタリング結果(一部抜粋)
・栽培中・・・ホウレンソウ、ケール、とうもろこし、バナナ、かぼちゃ、チリ等
・水源・・・川、井戸、個人宅等
・問題・・・ヤギ被害、人材確保
熱心に野菜の育て方を学ぶ村民とボランティアスタッフ

収穫した野菜も利用したレシピカードも、講習で有効に活用されています
(左上から))お米のコロッケ、野菜スープ、魚のコロッケ、魚のフリッター、チキンのサモサ

コンポンチャム州でモニタリング評価ワークショップを開催

海外事業部・中田が、コンポンチャム州の事務所で現在の事業に関するモニタリング評価ワークショップを開催しました。3日間のプログラムは、プロジェクトサイクルマネジメントとは何か、モニタリング評価プロセス及び指標の使い方などの内容。現地スタッフがモニタリング評価ワークショップを自分達で開催できるようになることを目的としています。今回実施したワークショップを5月に保健行政区スタッフ、保健センタースタッフを対象にクメール語で実施する予定です。
また、支援先の村で村長との会合、小学校の清掃活動の指導なども行いました。

 
 
 
 
 
中田が現地スタッフにワークショップの概要を説明

 
 
 
 
 
半年に一度の事業計画を見直す作業中

 
 
 
 
清掃の習慣を指導するため、支援先の敷地内のゴミ拾いをする小学生

 
 
 
 
 
支援先の村長と物資についての現状を確認
 


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