産後ケア室の地鎮祭

クボッタゴン保健センターで産後ケア室の建設を始めるにあたって地鎮祭が行なわれ、
保健センタースタッフ、村人、区長、PHJスタッフが参加しました。

地鎮祭はその土地に住む神々へお供え物をささげて建設の無事完了を祈ります。
カンボジアには多様な宗教があり、儀式はヒンズー教の様式で行われました。
村人が朝早くからきて準備をしてくれました。産後室の完成を楽しみにしているようです。

神々へのお供え物です。

儀式が始まりました。祭祀たちがお経を唱えています。

保健センター長と区長がお供えする穀物を祭壇になげています。

用意されたお供え物をお盆に乗せ、祭壇の後ろ側に置きます。神々の領域を象徴する祭壇の向こう側にお供え物をして儀式は終わりです。お盆はバナナの木の葉っぱで作られています。

最後に建築現場で建築の成功を祈り、祭祀は清めのため土地に聖水をふりかけました。

村びとの協力のお陰で、儀式は無事に終了しました。

特別行政機関に指定された保健行政区での研修を実施

保健行政区は地区内の保健センターを管理監督する保健機関であり、保健行政区の能力向上が保健センターのマネジメント・保健サービス向上につながります。

今回、PHJの活動地であるストゥントロン保健行政区のスタッフが、特別行政機関(SOA)に指定されているタケオ州のアンロカ保健行政区にてマネジメント研修を行いました.
研修には、ストゥントロン保健行政区長を含む行政区のスタッフ4名と、専門家とPHJスタッフが参加しました。
今回のスタディツアーではアンロカ保健行政区スタッフにより組織マネジメント(チームワーク)の重要性が強調されました。
SOA:Special Operating Agency 国の評価基準を満たしている行政機関

研修では、保健省の定めたガイドラインに沿ったアンロカ保健行政区のマネジメント力向上の経験とノウハウについての講義を受けました。さらに、アンロカ保健行政区の母子保健担当スタッフからも日々の母子保健マネジメントについて具体的な方法を教えてもらいました。その内容は、現在ストゥントロン保健行政区で課題となっている情報収集の仕方、記録や報告の仕方に関するもので、質疑応答も活発に行われました。
その後、アンロカ保健行政区の地方病院を訪問。ストゥントロン保健行政区長が真剣な表情で見学しました。

ヘンティ医師(病院長)は、「20年前には、病棟と外来の建物しかなく、電気も無い中、患者が溢れていました。コレラの患者が来ても隔離する場所さえありませんでした。今は、十分な施設が整い、スタッフも交代で24時間医療サービスを提供できています。」と、年月をかけて発展してきた経緯を教えてくれました。
「患者さんが憩える場所を作るために15年前に周囲に小さな苗木を植えました。その木が大きくなり木陰が生まれ憩いの場となったように、私達も成長してきました。」と、これまでの地道な活動を話してくれました。

さらにアンロカ保健行政区管轄の保健センターを訪問しました。

地域住民から高い評価を受けている保健センターをどのようにして作り上げていったのか、工夫したことや苦労話を保健センター長から直接伺うことができました。
なかでも、カンボジアでは軽視されがちな患者に対するホスピタリティーも保健センターの評価に大きくかかわるといった話が印象的でした。
アンロカ保健行政区の保健センターマネジメントの責任者である、チャンナリー医師は、第一線で努力を続ける保健センター長やスタッフ達への労いと感謝の意を表していました。このようなマネジメント側の何気ない行動や態度がストゥントロン保健行政区長やマネジメントスタッフにとって印象付けられた学びに繋がりました。
ツアー後にはストゥントロン保健行政区マネジメントスタッフは責任感、リーダーシップ、協力・連帯感を今まで以上に重視して活動をしていきたいと意気込みを話してくれました。

身体測定と栄養教育の研修

11月20日から21日にコンポンチャム州ストゥントロン保健行政区で医療スタッフに向けた身体測定と栄養教育の研修(GMPワークショップ)が行われました。
この研修にはストゥントロン保健行政区から2名とストゥントロン保健行政区内の全12保健センタースタッフの23名が参加し、コンポンチャム州保健局の研修責任者が講義を行いました。

身体測定の実習

子どもの健康的な発育のために、子どもとお母さんなどの養育者が定期的に保健センターを訪問し、身体測定や栄養に関する指導といった小児ケアを受けることが重要です。
研修では、母子に保健センターを訪問するように促すこと、そして乳幼児の身長や体重を正確に測定すること。さらに身体測定だけでなく、栄養価の高い食事を子どもが摂取できるよう具体的な食材を指導することなどが講義に盛り込まれました。
スキルや知識の講習だけでなく母子に保健センターを訪問してもらうために、保健センタースタッフの母子に対して親切かつ相談しやすい態度で接すること、といったホスピタリティの教育もなされました。

子供の栄養と成長に関する説明

 

イエローカード記録(身体測定記録)の結果をもとにした栄養教育のロールプレイ実習
研修後の振り返り。講義を受けた内容を改めて書き出しています

2日間と比較的に長い研修でしたが、途中にはゲームを交えた振り返りの時間もあり、効果的に研修が進められ、最初から最後まで参加者は皆、熱心に講義を受けていました。

参加者からのアンケートには、ファシリテーターの説明が大変分かりやすかったという声がたくさんありました。
「この研修(GMPワークショップ)は、他のスタッフも参加して知識やスキルを身に付けたほうが良い。保健センター全員でGMPの重要性を共有することが大切だ。」という前向きな意見も出たほど、充実した講義となりました。

保健ボランティア向け追加研修の実施

10月9日から11日の3日間、母子保健ボランティアのための追加研修を行いました。
最近新しくリクルートされたクポッタゴン区とビアムコスナー区の母子保健ボランティアに加えて、6月・7月の研修に参加できなかったボランティア、計11人が参加しました。

ビアムコスナー保健センターの助産師が講師を務めました。写真は、産後ケアについて講義をしているところです。
皆、とても真剣に講義を聞いています。

3日目には家庭訪問の実習をしました。5歳以下の子供を持つ保護者を訪ねました。

3日間の研修終了後、保健ボランティアにバッグと救急箱を贈呈しました。

研修を終えた保健ボランティア、保健センタースタッフ、PHJスタッフで記念撮影です。

カンボジア事業の日本NGO連携無償資金協力の署名式典が行われました

10月4日(金)に、令和元年度日本NGO連携無償資金協力署名式典が行われました。
同式典では、三上正裕駐カンボジア特命全権大使とPHJカンボジアの神崎所長との間で
「コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業(第1年次)」について贈与契約書に署名を行いました。

「コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業」では、5歳未満児の予防可能な疾病及び死亡の削減および子どもの健康な成長発達の促進を目指し、地域住民の健康増進や疾病予防に対する関心の向上、各家庭での行動変化を促します。
そのため、保健センタースタッフと地域の保健ボランティア間の情報共有や緊急時の保健センターへの搬送などの支援ネットワークを強化し、
各村での5歳未満児の子どもを持つ養育者への栄養・衛生教育の実施に取り組みます。

事業の進捗は活動レポート等で皆様にご報告していきます!

カンボジア 母と子のための地域保健システム強化事業

カンボジア 母と子のための地域保健システム強化事業
(期間:2014~2018 対象地域:コンポンチャム州)

コンポンチャム州は、全国で人口と保健センターが最も多い一方で、州内の22センターに正助産師が不在で、早期養成を目的に高卒後1年で育成された准助産師のみがサービスを提供しています。充分な知識と臨床経験がなく、また現場で指導できる人材がいないことが課題です。
支援対象地のストゥントロン保健行政区内の保健センターの統計によると、保健センターの一人あたりの妊婦健診は回数を追うごとに受診回数が減り、また、分娩件数や産後健診の件数も非常に少ない状況です。このように地域で十分な「継続ケア(妊婦健診、普通分娩、産後健診、乳児ケア、家族ケアといった一連のサービス)」が提供できていないことが見えます。

この事業は、地域医療機関を指導・監督する役割を持つ保健行政区と協働で保健センターを含む地域保健システムを改善していく仕組み作りに特徴があります。活動の4つの柱となる「保健行政区の能力強化」「助産師育成」「保健センターの機能強化」「地域住民の意識向上」のそれぞれで対象となる、保健行政区スタッフ、准助産師、保健センタースタッフ、保健ボランティアの能力強化を行いました。
【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金のほか、成田コスモポリタンロータリークラブ、八神製作所株式会社などサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しました。】

活動成果


活動レポート

2018/7/26
2018/6/27
2018/4/26
2018/3/29
2018/2/27
2018/1/25
2017/12/25
2017/11/30
2017/10/30
2017/10/26
2017/8/29
2017/7/27
2017/6/29
2017/5/30
2017/4/29
2017/3/29
2017/2/24
2017/1/30
2016/12/27
2016/11/29
2016/10/26
2016/8/30
2016/7/29
2016/6/23
2016/5/27
2016/4/27
2016/3/17
2016/2/15
2016/1/26
2015/12/21
2015/11/30
2015/10/30
2015/09/30
2015/08/27
2015/07/30
2015/06/30
2015/05/28
2015/05/15
2015/04/27
2015/03/23
2015/02/23
2015/01/23
2014/12/29
2014/11/27
2014/10/27

ボランティアさんに自転車を寄贈

ストゥントロン保健行政区長主催による「保健ボランティア並びに母子保健ボランティアへの自転車(109台)贈呈式典」が、郡長であるトゥン・ネット氏を迎えて開催されました。保健ボランティア・母子保健ボランティアは猛暑や大雨の中でも村びとの健康のために精力的に活動を行っています。公共交通機関が十分発達していない当地のボランティア達にとって、活動のための移動手段確保が予てより課題になっていました。PHJではこれを解決するためにボランティア達に自転車を109台贈呈することにしました。

式典は8月14日7時半からストゥントロン保健行政区で、PHJが活動を行っている4つの区の保健センター長、そして保健ボランティア・母子保健ボランティア100名以上が出席して行われました。

郡長はスピーチの中でPHJの貢献に対して感謝の意を表し、これからもPHJの活動に協力することを約束してくれました。

保健行政区長はスピーチの中で自転車贈呈だけでなく、保健センターやボランティア達に対する日ごろのPHJによるテクニカルサポート面の貢献も賞賛してくれました。また、ボランティア達には自転車を大切に使いよくメンテナンスすること、そして自転車を使ってよりコミュニティーに貢献することを期待すると話されました。
ボランティア達は区毎に、一人ひとり順番に自転車を受け取りました。
たくさんのボランティア達が笑顔で帰っていきました。
PHJはこれからも保健ボランティアと母子保健ボランティア達の活躍を応援していきます。

カンボジア コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業

カンボジア コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業
(期間:2018~ 対象地域:コンポンチャム州)

PHJはコンポンチャム州で2014 年から妊娠・出産・産後期を中心に保健センターでの母子保健サービスを強化し利用増を促進する活動を実施してきました。しかし、村での活動を実施する中で5 歳未満の子供の健康問題が顕在化。男女ともに完全母乳育児期が終わり、離乳食が始まる6 ヶ月を境に低栄養の割合が増加し、特に1歳から2 歳未満の男児では低体重26.0%、低身長19.5% でした*。「低栄養」は子どもたちが病気にかかるリスクを高めるだけでなく、成長に及ぼす負の影響は生涯に渡り続くといわれています。
*岩本、他、「カンボジア国コンポンチャム州における子どもの慢性低栄養の男女差」、2016

活動内容

本事業は、保健センタースタッフと村のボランティアが支援ネットワークを形成し、地域の子どものケアに関する知識普及や実践促進を行うことにより、5 歳未満児の予防可能な死亡を削減しつつ、健康な成長発達が促進されることを目的とします。子どもの栄養改善など健康増進や疾病予防に対する地域住民の関心を高めて家庭でのケア実践の増進を狙いとしています。
保健センターでの予防接種、成長モニタリングなどの健診や小児疾病管理の保健サービスを提供できる体制づくりをコミュニティの参画のもとに推進します。

活動レポート

2018/7/26
2018/6/27
2018/4/26
2018/3/29

母子保健ボランティア 産後検診啓蒙のためのトレーニング

現在、PHJカンボジアでは2歳以下の子どもの健康を支えるためのネットワークづくりをしていますが、この事業のなかで母子保健ボランティアは村の妊産婦を直接支援する役割を果たします。
活動の中でも目標とされている家庭での子供の健康に関する知識や意識を高めるためにはなくてはならない存在で、妊婦健診や産後検診といった産前産後のケアの啓蒙や栄養教育といった活動の核になります。
7月はじめの4日間、ピアムゴッスナー母子保健ボランティアの第2回初期トレーニングを開催しました。今回のトレーニングは、6月末に行った第1回初期トレーニング「妊婦健診サービスについて」の続きです。
「産後検診サービスについて」が今回のトレーニング内容で、13人の母子保健ボランティアが参加しました。
比較的大人数だったので、会場として保健センター近くの学校の教室をお借りしました。
学校の校長先生は活動にとても理解を示してくれ、快く教室を貸してくれました。
ファシリテーターとして保健局の医者と看護師が参加しました。

産後検診の大切さについての講義、新生児と母親の健康状態の評価方法、体温計の使い方、家庭訪問の仕方などが主なトレーニング内容でした。

最終日は実技です。グループに分かれて近くの村に行き、出産したばかりの女性へ家庭訪問をします。

保健局の医者と看護師の指導のもと、参加者全員が家庭訪問の実演をしました。
母子保健ボランティアが、フリップチャートの教材を利用しながらわかりやすく説明しています。


最後は、参加者13人の母子保健ボランティアへ救急箱、教材、バッグを贈り、トレーニングは終了しました。

フードデモンストレーション(離乳食の調理実習)を実施しました。

5月下旬にクポッタゴン区のプレック・トゥク村でフードデモンストレーションを行いました。
村の母子保健ボランティアの自宅をお借りして、乳児を持つお母さんたちを対象に栄養のある離乳食のお粥の調理実習をしました。


PHJスタッフと母子保健ボランティアの指示のもと、お母さんたちが調理に参加しました。

お粥を待つ子供たち

離乳食のお粥完成です。
お米のほか、緑野菜、カボチャ、サツマイモ、魚、卵、豆腐など、栄養価の高いものが入っています。

子供たちのほとんどがお代わりをしました。


参加者全員で試食しました。大人にも好評な味でした。

最後に、PHJスタッフが乳児に必要な栄養に関する講義をしてフードデモンストレーションは終了しました。
今まで栄養のあるお粥を作りたいと思っていたけれど作り方を知らず、今回の実習で学べてよかったとお母さん達から感謝の声をいただきました。


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