コンポンチャム州での事業スタート

コンポンチャムの事業は市原新所長のもとですすめられています。
左から会計・事務担当のンゴット、プロジェクトオフィサーのサレット、
ナックリー、運転手のリム(10月末まで)市原新所長、中田、です。

事務所も開設しました。
カンボジアでは新しい土地や新しい場所で仕事や生活を始める場合に、
お坊さんに来てもらうのですが、PHJ事務所の開設時にも来ていただきました。

これから進めるプロジェクトの現状把握のために保健行政区の事務所や
保健センター3か所でインタビューを行いました。

保健センターなどでのインタビューで現状と課題を洗い出し、
今後の活動についてワークショップ形式でスタッフと話し合いました。

プロジェクト完了セミナー

少し前になりますが、7月に「プロジェクト完了セミナー」を実施しました。
これはコンポントム州の活動地の保健センターのスタッフや
農村のキーパーソンを集めて、PHJのプロジェクトを現地だけでいかに
継続していくか、について話し合うことが大きな目的です。

セミナーでは、①(PDM-Project Design Matrix 指標による)プロジェクトの
成果の共有
②プロジェクト完了調査の結果共有(2011年と2014年の同調査の結果比較)
を行いました。

また、これらの情報をインプットにして、保健センター、保健ボランティア、
母子保健ボランティア&伝統的産婆、保健搬送システムの4グループに分かれ、
PHJプロジェクトの活動をどのように持続できるかを話し合ってもらい、
各グループから発表してもらいました。


発表の内容を下記に1例をあげます。
●母子保健ボランティアの場合 
・村での家庭訪問、母子保健啓発教育
これまでと同様に自主的に家庭訪問を続け、母子保健教育、
保健センターへの照会を続けていく。
・情報共有活動
3ヶ月に1度の会議に出席し、保健センター⇔村間の情報共有を続ける。
村会議、祭事(結婚式、新生児祝い等)、マーケットでの女性同士の
交流時に積極的に母子保健に関するアドバイスを行い、村人⇔村人間
の情報共有も促進する。


このようにコンポントム州の活動は完了し、現地の人たち自身で
自分たちの健康を守る基盤を育てていきます。
健康な村づくり、現地の人たちにとってはこれが真のスタートでは
ないかと思います。
ぜひとも自分たちの力で健康な村を維持していってもらいたいと、
心から願います。

コンポンチャムへの事務所引っ越し準備

9月から現事務所のあるコンポントム州から
コンポンチャム州に引っ越します。
そのため
8月前半はコンポンチャム州で新事務所をさがしました。 
人づてに聞いたりしながら候補となる事務所をいくつか
ピックアップして見に行きました。
最終的には
コンポンチャム州病院に近いところの物件に
決まりました。

事務所正面

事務所内部
さあ、ここでこれから新たに事業を開始します!
みなさん、ご支援・ご協力よろしくお願いします。

看護師・助産師育成学校に医学図書を寄贈

6月25日に、成田コスモポリタンロータリークラブ様からのご支援をいただき、PHJを介して、カンボジア・コンポンチャム州のRTC(看護師・助産師育成学校)に61冊の医学図書を寄贈しました。これらの図書は、保健省の人材開発局のスタッフをはじめ、RTC教授陣、国際保健機関スタッフが、看護・助産師教育のニーズに沿って選択したもので、看護学・助産師学に関する幅広い分野がカバーされています。
 
これに伴って、医学図書寄贈式が行われました。
式は、RTCを紹介するプレゼンや日本語を交えたスピーチなどが準備されており、感謝の気持ちにあふれた式でした。
 
以下、寄贈先の方々よりメッセージをいただきました。
【コンポンチャムRTC学校長より】
私がこのRTC学校長に就任して以来このような多数の医学図書を寄贈いただけたことはかつてなかったので、大変大きな喜びを感じています。成田コスモポリタンロータリークラブ様からいただいた医学図書を多くの生徒に使ってもらうために、学校内の図書室で適切な場所に保管し、管理することをお約束します。また、生徒だけの利用だけではなく、RTCの教師たちも、生徒に教える上での教材作りなどの参考文献として利用できるようにします。今回たくさんの医学図書を寄贈頂き誠にありがとうございます。
【コンポンチャム州保健局母子保健チーフより】
PHJには州保健局への支援だけではなく、コンポンチャムRTCへの支援をいただいたことを大変ありがたく思います。医学図書はRTCの生徒にとって必要不可欠で高い価値のある支援です。彼らがここで学んだことが将来自国の母や子を助けることにつながるからです。医学図書の支援は、お金の支援よりも価値があるものだと私は思います。それだけ、RTCでは最新の医学図書を必要としていました。このように本当にたくさんの医学図書を寄贈頂いた、成田コスモポリタンロータリークラブ様、PHJ様に心から感謝します。ありがとうございます。
【RTC生徒より】
私にとって今もっとも興味があり必要である知識は、分娩介助とヘルスプロモーションの技術についてです。ですから、それらに関する医学図書を多数寄贈してもらい本当に嬉しく思っていますし、それを私たちが利用できることを誇りに思います。これらの本に日本からたくさんの資金を使って頂き、本当にありがとうございます。私たち生徒は寄贈本から得た知識を、RTCの学業期間、そして卒業後もカンボジアの人々のために使いたいと思います。本当にありがとうございました。
 
 

大使館・州保健局母子保健チーフのPHJ活動視察

カンボジアの事業は日本NGO連携無償資金協力を受けており、このたび大使館よりN連保健担当の與那嶺書記官がPHJの活動視察のため活動地を訪問しました。
保健ボランティア会議、母子保健ボランティアの家庭訪問活動、チュックサック地区・ティポー地区で建設したトイレを見学して頂き、プロジェクト完了直前の現在ではどの活動も保健センターやボランティアが主導で活動を実施できている様子をご覧頂きました。
また、視察の後、保健センタースタッフと保健・母子保健ボランティアとのインタビューセッションの時間も設け、PHJの3ヵ年プロジェクトの成果や、自分たちがどう意識が変化したなど話し合いました。また、今回の視察では州保健局母子保健チーフのDr.バトゥにも随伴頂きました。
與那嶺書記官より、「ぜひ活動を持続させるよう期待している」というメッセージが直接伝えられ、Dr.バトゥからも「PHJが育成した母子保健ボランティアのリフレッシュ・トレーニングを州保健局で開催できるようにユニセフからの資金支援をもらえるように交渉したい。保健ボランティアのトレーニングと会議支援を州保健局の予算に組み入れた」などの言葉を聞くことができました。
視察先のタノッチュム保健センターにて記念撮影
(左端から:與那嶺書記官、保健センター長、Dr.バトゥ、保健ボランティア2名、林、助産師、ソルンナ)
チュックサック保健センターでのインタビューセッションの様子

プロジェクトの完了に向けて

■プロジェクト完了調査
プロジェクトのキーパーソンである保健ボランティア、母子保健ボランティア、伝統的産婆の各グループ対して、プロジェクトがもたらした意識や村の変化や、成果などを聞き出すグループインタビューを実施しました。
「変化]「効果」「持続性」の3つのカテゴリーで質問を準備し、計15項目程度の問いに対してそれぞれのグループが自由に話し合いました。

保健ボランティアのグループインタビューの様子
■保健搬送システムの村会議
運営に課題が残されていたタノッチュム地区Thmei/Bantea Chas村の保健搬送システムにおいて、課題を村全体で話し合う村会議を運営委員会が開きました。
大きな課題としては会員費をきちんと集金できないことだったのですが、運営委員会で何度も話し合い、このような村会議を開いていっぺんに会員費を集金しよう、との結論になりました。
村会議では、保健搬送システムの意義や、会員をきちんと支払うことでシステムの持続性が増すといったようなメッセージが再度伝えられました。

村の運営委員が村人から会員費を集めている様子

衛生推進活動をすすめて

母子保健改善教育の一環である水と衛生の推進活動では、
モデルとなる4村を選定し、トイレ建設などを含めた衛生教育を実施しました。

1村につき15世帯、計60世帯でのトイレ建設が完了しました。
またトイレ使用のモニタリング(流す用の水の有無、清潔さや掃除用具の有無)を毎月実施しています。

学校保健教育の授業を開始

学校保健では授業計画の骨子も固まり、教材もそろい、いよいよ授業開始。
授業を始める前に模擬授業を行い進行の練習を行いました。
実際の授業では教師が中心となって進行しながら、グループワークやロールプレイゲームでは
保健ボランティアや保健センタースタッフがサポートに入るなど、協力しながら
うまく進行している場面も見られました。

上の写真は、自分の衛生行動を見直し、できていないところはなぜかを話し合って紙に書いています。

上の写真は、先輩や友達からをドラッグをすすめられたら、どのように対処するかを言葉に出して言ってみよう(Noという、大人を呼ぶ等)というロールプレイです。
また小学校5、6年生を対象に性教育も行い、男性、女性の身体的な違いをはじめ、コンドームの使い方など具体的な避妊の方法などを教えました。子供たちもふざけたり、反発したりといった反応も見られず、きちんと教師の話を聞いていたとのこと。このあたりは日本の小学校よりも進んでいる、といった印象を受けました。

スタツアメンバーが衛生教育と母子保健ボランティアの活動に参加!

母子保健ボランティアの戸別訪問。今回は、スタディツアーのメンバーも参加して
戸別訪問の様子をチェックしました。母子保健ボランティアさんがきちんと説明
できているか、助産師さんも一緒に確認しています。

村での衛生教育。こちらもスタディツアーメンバーが参加。
当初は手洗いの実演をする予定でしたが、どうも農村の人にはしっかり浸透
していることがわかり、急きょ「うがい」のデモをすることに。
紙でうがいの必要性を説明し、その後、うがいの実演をしてもらいました。
下記の写真をクリックすると動画もみることができます。

ティポー保健センターに救急搬送用トゥクトゥクが寄贈されました。

ティポー保健センターに大塚製薬株式会社より救急搬送用トゥクトゥクが寄贈されました。
嬉しそうに車両内に座っているのは、保健センター長や助産師さん。

車両の側面には妊婦さんや急病人などに使用する、といった目的が書かれています。

車両のお浄めも行いました。

新車両を迎えて村の住民も集まりました。

安全なお産のために走り回ってほしいですね。


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