救急搬送用トゥクトゥクの寄贈式が開かれました。

PHJの活動先であるチュックサック地区の4村、チュックサック保健センターに新規導入する救急搬送用カート(トゥクトゥク)4台の寄贈式が、3月11日に大塚製薬株式会社梶山様をお招きし開催されました。
寄贈式は、チュックサック地区内のお寺で行われ、地区長、村長、保健センター長、保健センタースタッフ、学校関係者、住民など村総出の出席で執り行われました。梶山様、村の代表、PHJからのスピーチがあり、それぞれ保健搬送システムにかける思いが熱く語られました。
また、搬送カートの安全を願う僧侶の祈祷や、「アラピア」という国民的唱歌の村人の合唱、PHJがかつて地域に寄贈した伝統楽器の演奏など、ほのぼのとした温かいカンボジアらしい寄贈式になりました。

再トレーニングの必要性

PHJでは母子保健ボランティアを育成していますが、
今回は、12年度に育成したボランティア、及びユニセフが2010年に育成した母子保健ボランティア向けに3日間のリフレッシュトレーニングを行いました。内容は基本的に新規トレーニングの内容全体をおさらいし、重要な部分をピックアップしました。
トレーニングの前後で理解度を測る知識テストを行ったのですが、産前ケアに関する知識では事前テストで67%の理解度、事後では88%、産後ケアに関する知識では事前テストで56%、事後で92%と、それぞれに上昇が見られました。
ただ、1年間で理解度が70%以下に落ち込んでいるのを見ると、定期的なリフレッシュトレーニングの必要性が感じられました。

写真は、家庭訪問での相談の練習です。母子保健ボランティアは、妊婦や産後の女性を訪問して、体調や精神状態などをチェックし、悩みや疑問点への相談に乗ります。
産前ケアはかなり定着してきている感触はありますが、出産が終われば安心してしまうのか、産後ケアに無関心な母親が多くいます。出産後は母親、新生児ともに様々なリスクにさらされやすく、(産後出血、感染症、赤ちゃんの低体温、高熱など様々)死亡に繋がることも少なくありません。今回のトレーニングでは、産後ケアに十分時間を取り、力を入れて再トレーニングしました。

トイレ建設支援の様子

カンボジア コンポントム州にて衛生推進活動の一環としてトイレ建設を支援しています。
乾季に入ったため、トイレ建設に関する話し合いがもたれました。資材も配布され、各自で建設をすすめています。一家のお父さんが建設をする事が主ですが、
お父さんにスキルがなければ村の大工さんにお金を払って建ててもらうこともあります。
今回は4つの衛生モデル村の中の60世帯に対して支援を行いました。引き続きモデル村での衛生キャンペーン、衛生教育を行っていきます。

説明会
建設中
排水システムを作っているところ
トイレ内部

州保健局主催 母子保健会議でのPHJ活動発表

コンポントム州保健局開催の母子保健会議で搬送システム(トゥクトゥク)の活動発表を行いました。この会議は特に、村と保健センター間のアクセスの改善を話し合われるものでした。州保健局(PHD)、ドイツ国際協力公社(GIZ)、NGO、保健施設スタッフ、村役員など100名を超える出席者がおり、このような大きな会議でPHJの活動を知ってもらえた事は大変有意義でした。他団体があまり行っていない取組みのためか質問も多く聞かれ、とても関心を持ってもらえました。とりわけ資金運用のメカニズム、メンバーシップ制度への関心が強く、また地方病院からも規定を見せてもらいたいとの声が挙がりました。

新規ボランティア育成トレーニング

母子保健改善に向けた健康な村作り事業の一環として、母子保健ボランティアを育成しています。
スロラウ保健センター管轄下の新規ボランティア28名を対象としたトレーニングを実施しました。トレーニングは全部で6日間行われ、修了後は、保健センターと連携して、村の妊産婦・新生児宅を戸別訪問し、様々な支援を行います。

特別な専門知識などは必要ありませんが、気軽に保健センターに行く事を勧めるなど、妊婦さんを説得するには、それなりの知識やコミュニケーションスキルが必要なので、そのための教育を実施しています。

トゥクトゥク運営委員会が開かれています

救急搬送用に用いられているトゥクトゥクですが、その運用は村人から選ばれた運営委員会が行っています。
保健センターへの道路状態があまり良くないため、振動により屋根を支える支柱が折れてしまいました。この修理を運営資金でまかなうなど、運用は上手くいっています。
次のトゥクトゥクを注文する際には支柱を強化するなど、改善点も挙げられました。 

妊婦搬送システム(トゥクトゥク)がスタートして半年

2012年3月にタノッチュム(TC)保健センターへ妊産婦搬送カート(トゥクトゥク)を寄贈してから、半年が経過しました。その前の準備期間から含めると、当対象地区への関わりは1年近くとなっています。頼りないと感じるTCの保健搬送システムが現実に目の前にあるのですが、それを横目に見ながらも、次の対象地区となるチュックサック(CK)保健センターでも支援を開始しなければなりません。さもないと、事業は何年かかっても終わりませんので。

新規活動をこれから立ち上げていくには、過去の例を学びに行くのが一番だということで、TC保健搬送システムの事例を視察しに行きました。当日は、TC保健搬送システム委員会のメンバーと視察参加者としてCK保健センター長、各村の村長、保健行政区長が参加し、総勢19名での視察となりました。私としては、TC保健搬送システムは手塩にかけて育て上げている最中であり、未熟であったのは承知の上、正直な所TCを視察地に充てて大丈夫だろうか、質問されてきちんと答えられるだろうかと心配でした。それでも、責任を感じている、改善点はまだある、夜間搬送はありがたい、収益はなくとも村人のために働ける、など村のために働いているという気持ちがとても強く感じられました。
また、会議中には、TCのドライバーから保健行政区病院長に直に次のような発言も聞かれました。“特に夜間帯、保健行政区の病院へ移送しても、そこから医師を見つけなければならなかったり、お金の話を先にしないといけなかったりし、診察までに時間がかかるため、すぐに対応してもらえるよう整えてもらいたい。”

この発言を聞いた時は、素直にとても嬉しく思いました。カンボジア人が目上の人に対してここまで言うことは、日本以上に難しい風習であるのですが、果敢に村のために意見したことが私にとっては何より誇らしくも思え、またドライバーがそこまで考えてくれたことに、大きな成長を見出しました。今後の発展にとても期待をしています。
 カンボジア事務所 久米

トイレ支援を始めて半年

PHJでは健康な村作り事業の一環として、村人が衛生的な生活を送ることができるようトイレ建設の支援を行っています。
といってもトイレを丸ごと設置するのではなく、資材の一部のみ、主に土台にあたる部分のみを提供し、あとは各自好きな資材を使って外観、内装を整えてもらうというものです。丸ごと支援するよりも、自分たちの大事なお金を少しでも費やすことで、自分のものとして有効にトイレを使ってくれるのではないかと考えるからです。

また、支援対象を1村あたり数世帯のみに限定し、同じ村内で支援を受けられなかった世帯が、隣近所で使わせてもらううちに“自分の家でも作ってみようかな”と考え、自発的に広まっていくようにと考えています。
1月に4村60世帯を対象にトイレ建設資材を提供し、全世帯で設置が完了しました。その後、継続的に定期モニタリングを実施したところ、きれいに使用されていることが確認されました。

トイレ内部


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