保健センタースタッフへのホスピタリティ研修
PHJの事業地シェムリアップ州ソトニクム保健行政区は、妊婦健診受診率、医療者介助分娩率、施設分娩率は州内他地域と比較していずれも最も低いという課題を抱えています。
調査をしたところ、保健センタースタッフの態度や振る舞いで不快な思いをしたといった理由で保健センターを利用しない女性が多いことがわかりました。
医療におけるホスピタリティ(コミュニケーションや温かみのある対応など患者に対する心配りや態度)は、患者の満足度を高め、治療効果を向上させる重要な要素です。カンボジアでは、医療の適切な知識やスキルが医療サービスだと考えられる傾向にあり、保健センタースタッフのホスピタリティの重要性に対する意識は高くありません。
この状況を改善するため、保健センタースタッフを対象にホスピタリティ研修を実施しました。
この研修では、患者の尊厳を尊重すること、傾聴すること、伝わりやすいコミュニケーション、年齢に応じた来院者への対応方法などを学びました。
研修後は、保健行政区スタッフが定期的に保健センターを訪れ、保健センタースタッフが来院者に対して丁寧で寄り添ったコミュニケーションを行っているかなどを確認しています。
参加者からは、
「患者に寄り添ったサービス提供をすれば来院者が増えるとは考えたことがなかった」「ホスピタリティの重要性を初めて認識した」
などの声が寄せられました。
研修後は、保健センタースタッフがお互いに来院者への対応を確認するようになるなど、保健センター全体でホスピタリティ向上に取り組む動きが見られ、
月に一度の保健センタースタッフ会議では、自発的にホスピタリティ向上について話し合うようになりました。
【本事業はJICA草の根技術協力事業とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】