何もないサブセンターが、安心して産める場所になるまで。
PHJの活動地はミャンマーの首都ネピドーから車で約1時間半のミャウッミェイ地域保健センター管轄区に位置し、その中の全27村、人口約4万人に対して、村の末端にある一次医療施設(サブセンター)は合計6施設です。この一次医療施設は一般診療の他に分娩の役割も担っていますが、分娩室がない施設がほとんどで、中には助産師の家で診療を行っている場合もあります。
PHJの活動地の一次医療施設の一つであるニャオトンアイサブセンターは2016年6月に政府の予算で建築されましたが、患者用ベッドも分娩台も机も椅子など何もない状態でした。
政府から患者用ベッドなどが支給されるかわからない状態の中、サブセンターでの診療ができない日々が続きました。その間、助産師は自宅で診療を行っていましたが、分娩室はないため、この地域での分娩は、離れた地域の病院に行くか、自宅分娩をしており、村長や村人もこのサブセンターが稼働する日を心待ちにしていました。
そこでPHJでは、郡保健局や村長と話し合い、サブセンターが1日でも早く機能するように家具や必要な医療器具を揃え、2月上旬には助産師が移り住み、サブセンターでの診療を始めました。(注:医薬品は全て政府からの支給でPHJでは支援していません)
稼働してしばらくたった2月19日。朝9時ごろに、初めての赤ちゃんが誕生しました。出産した女性は、サブセンターから近隣の村から来た初産婦さんで、3㎏の元気な男の子を出産しました。
そして、この日を境に2月26日現在までに4件の新しい命が誕生しています。
今後は、建物の支援だけではなく、助産師の技術トレーニングや、住民への母子保健教育など、サブセンターが今後もこの地域の住民やお母さんと子供の健康増進に寄与できるようにPHJではサポートしていきます。