政府職員とのプロジェクト評価会議の開催
2017年10月よりタッコン郡で開始したミャンマー農村地域の母子保健サービス改善事業も1年が経過します。そこで、10月11日に保健省母子保健課、ネピドー公衆衛生局、タッコン郡保健局の職員と共に、会議を開催しました。この会議の目的は、プロジェクト1年目の活動の結果や成果、2年目の活動計画を共有し、プロジェクトの妥当性や、持続可能性を考えた活動を政府職員と協議することでした。
活動は1.安全な分娩環境づくり支援、 2.医療者(特に助産師)のスキル向上、 3. 村での母子保健教育活動、4.村のボランティア育成と連携強化、5.政府職員との連携強化の5つを柱としています。
1年目の活動では主に、インバコンサブセンターの分娩室の建築、分娩台やオートクレーブなどの必須医療機器の供与、助産師卒後研修、補助助産師リフレッシュ研修、助産師によるサブセンターや各村での母子保健教育、村での母子保健活動に従事するボランティアとして「母子保健推進員」の育成などを行いました。
1年目の主な成果としては、分娩台や診察台などを寄贈したニャオトンアイサブセンターでは稼働から約7ヶ月足らずで、22件の新しい命が誕生したことや、助産師卒後研修で学んだ緊急時の処置により産婦さんの救命ができたこと、定期的に母子保健教育を開催することで、村のお母さんたちの助産師への信頼度が高まったことや、母子保健推進員が妊娠初期の妊婦を発見し、妊婦健診の受診率が少しずつ増えていることなどです。
今回の会議で議論されたことは、ミャンマーでの政策でもある1.施設分娩率を上げるアプローチとして現在の活動の妥当性、2.二年後のプロジェクト終了に向けて、持続可能性を考えた活動を行う、ことでした。
1に関しては地域でボランティアを育成し、助産師へ照会する仕組みは良く、併せて1年目から行っている助産師のトレーニングも継続してほしいこと、2は、多数いるボランティアの持続可能性を考えて、タッコン郡保健局と一緒に活動を行っていくことが議論されました。
プロジェクト開始から約半年が経過した時点に、保健省母子保健課の助言により、対象活動地をミャウッミェイ地域保健センター管轄地からタッコン郡全体へと拡大することになり、大変な苦労と労力を強いられましたが、タッコン郡保健局やネピドー公衆衛生局の協力もあり、苦難を乗り越えることができました。
2年目からは拡大した活動地域でも母子保健教育の開催や、母子保健推進員を育成します。1年目に得られた成果を他の地域へも拡大し、より多くの母子が健康に過ごせるようにPHJはサポートしていきます。