タイ 小児先天性心臓病手術
(期間:1998年~2016年 対象地域:チェンマイ県、ランパン県)
タイでは生まれつき心疾患を持つ子どもが年間8000人も生まれ、そのうち1/3から半分の子どもたちが手術を必要としています。費用あるいは医療人材の技術力の問題があり、その中で手術を受けられるのは半数くらいです。発見の遅れや治療費が払えないために手術が先延ばしになる場合には、生命の危険度は上がっていきます。PHJはこのような子どもたちを救うために、1998年から地元のチェンマイ大学病院および先天性心臓手術財団との協力により、手術と専門医師・看護師育成の教育支援を行ってきました。
日本製薬団体連合会基金、外務省、日本経団連より支援を頂き、2007年6月までに子どもの手術支援(62人)と医師3人と看護師11人に対する専門医療教育支援を行いました。2006年後半からは、日本企業や、財団、市民グループから支援を受け、年間10名から30名程度の子どもの手術を実施しています。2012年までに累計310名の手術を実施し、100%の成功率です。2011年からは、チェンマイ大学病院の他にランパン病院でも手術を開始した他、2012年からは、タイ国籍を持たない子供の手術も実施しました。
1998年から2016年までに合計440名の子どもの手術支援を行いました。
2016年10月にPHJの事業は終了いたしましたが、現地の医療機関や団体が引き続き支援を継続しています。
活動レポート
活動内容
小児心臓病手術
チェンマイ大学病院及びランパン病院との協力により、手術を実施しました。
移動検診
地方に住む心疾患の疑いのある子供を救うため、チェンマイ大学病院の心臓病専門医や看護師らが地方の病院に出向き、検診を実施しています。検診により手術が必要な子供は、チェンマイ大学病院やランパン病院等に紹介され、手術を受けることになります。また、これは地方の病院の医師や看護師にとって、チェンマイ大学病院の医師らから実施訓練を受ける機会にもなります。
小児心臓専門看護師の育成
チェンマイ大学病院の看護師をバンコクで実施する小児心臓病患者の看護研修に派遣することで、手術前後の患者のケア技術向上を目指しています
家族への心疾患児のケア教育
心疾患を抱えた子供の術後ケアを適切に行えるように、家族へのケア教育を行っています。
手術を受けた子供のフォローアップ家庭訪問
術後1、2年後に、体調の変化がないか等を把握するため、ピープルズ・ホープ・ジャパンのスタッフが家庭を訪問し、本人と家族にインタビュー調査をしています。
過去の活動
2001年には、タイ東北部(ウボンラチャタニ―県)に初めて設置された心臓病専門のサプラソンシティー病院にて、小児心臓手術が可能な専門医・看護師のチームを育成しました。