【ご報告】
2017年7月より開始しましたミャンマー助産師教育募金は2017年12月29日に終了いたしました。
集まった募金額は64万9059円となりました。短い期間に多大なるご支援に心より御礼申し上げます。
なお、本事業において実際に使用しました経費は73万7544円となります。不足分に関しては自己資金にて調達する予定です。なお現在もミャンマーでの母子保健改善に向けて助産師を含めた支援活動をしていますので、今後ともPHJへのご支援どうぞよろしくお願いいたします。
【経費の使途】
講師謝礼金(6名分)、教材費(マスク、手袋、文房具、文書コピー代等)、助産師と婦人保健訪問員への交通費、ドプラー45個(母子保健クリニック、地域保健センター、サブセンター)、骨盤模型、軽食代、事務所交通費となります。
【助産師トレーニングの報告】
助産師トレーニングは5日間で、タッコン郡の全助産師43名※と助産師を管理監督する婦人保健訪問員4名を対象に1グループ8名~11名に分かれて行われました(実施期間は2017年5月から3か月間)。
※募金開始時は41名でしたが、異動により助産師が2名増えました。
(トレーニングを受けた助産師)
(新生児蘇生法の講義の様子)
今回のトレーニングでの知識テストとスキルチェックの結果は以下の通りです。
2017年5月より配属になった新人助産師(就職後1年未満)と助産師ではテストやスキルチェックの結果に差があったため、別々に示しています。
知識テスト(前→後) | スキルチェック(妊婦健診) | スキルチェック(産後検診) | スキルチェック(分娩介助) | スキルチェック(新生児蘇生法) | |
新人助産師(就職後1年未満) | 48%→60% | 72% | 69% | 45% | 95% |
助産師 | 56%→84% | 81.5% | 81.2% | 80% | 98.5% |
全体平均 | 55%→79% | 80% | 79% | 73% | 98% |
当初の目標に掲げていた90点以上になることは達成できませんでしたが、新人をのぞいた助産師に関してはトレーニング後に知識・スキルとも80点以上になりました。
この結果を主催者であるタッコン郡保健局と共有し、特に新人助産師への教育は継続的に行う必要があることを認識しました。今後はタッコン郡保健局が主導となって行っていき、PHJでは2017年10月より開始したプロジェクト活動地を中心に助産師の技術強化に努めてまいります。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓ミャンマー助産師教育活動の内容は下記をご覧ください。↓↓↓↓↓↓↓↓
ミャンマー タッコン郡の安全なお産をささえる助産師のスキルアップを。
PHJはミャンマーのネピドー自治区タッコン郡で2015年4月より事業を開始しています。
ミャンマーの保健状況は周辺国と比較しても劣悪です。特に母子保健指標(2010年)では、乳幼児死亡率が48人(出生1000人対)、5歳未満児死亡率が62人(出生1000人対)、妊産婦死亡率が200人(出生10万人対)。不十分な保健人材や保健サービスの欠如などの保健設備の老朽化などが原因とされています。
PHJでは保健人材や地域住民を対象とした母子保健教育を行い、母子保健状況の改善を目指しています。
具体的な活動内容はこちら をご覧ください。助産師教育活動はこの事業の一環として行っている活動です。
たった1人で住民の健康管理を任されるミャンマーの助産師
ミャンマーの助産師は高等教育修了後に2年過程の助産師養成校を卒業後に、村の一次医療施設であるサブセンターに政府職員として配属されます。
・約3千~1万人をカバーするサブセンターを、助産師と公衆衛生スーパーバイザーのたった2名で対応しています。
・助産師は妊産婦のケアや、分娩介助といった母子のケアだけではなく、一般診療や予防接種など多岐にわたります。
タッコン郡の全助産師41名のスキルアップにより7,000人*の女性を支えられます。
PHJではタッコン郡の全助産師41名が適切な母子保健サービス(妊婦健診、分娩介助、産後検診、新生児健診、家族計画)が提供できるように母子保健の知識を復習するトレーニングを開催します。目標は知識テストとスキルチェックの結果が90点以上になることです。(*妊娠可能な年齢の女性)
また本活動ではトレーニングに必要な骨盤模型を提供する予定です。
【トレーニングを終えた助産師のインタビューその1】
「分娩後出血時の対応や呼吸停止の新生児の蘇生の演習を受け、緊急事態に対して自信がつきました。」
(Thinzar Nweeさん Htone Boサブセンター所属)
このトレーニングは私たち助産師にとって本当に役立つものです。
というのも、日ごろから地域住民に向けてたくさんの保健教育や患者サービスを行っていますが、中には実際にどうやったらいいかわからないこともあるからです。トレーニングでは妊婦や母子に向けたサービスやケアのための実践的な技術を系統的に学びました。
たとえば分娩後出血時の対応や呼吸停止の新生児の蘇生の演習を受けたことで、こうした緊急事態に対して自信がつきました。
【トレーニングを終えた助産師のインタビューその2】
「理論中心だった助産師学校とは違い、実践的なことを学びました。」
(Thin Thin Nweeさん 母子保健クリニック所属)
ちょうど一か月前から働き始めたばかりです。配属されて2回の分娩介助を行いました。
このトレーニングは助産師学校で教わったことを思い出させてくれるので、私のような新任の助産師にもとても役立ちます。
助産師学校では理論的なことを中心に学びましたが、このトレーニングでは分娩後出血や妊娠高血圧症候群に関する多様な知識、新生児蘇生の方法、そして他の助産師の経験を聞いて学ぶことができました。またこのトレーニングがあればぜひとも参加したいです。
|ミャンマー助産師教育募金概要
募金用途:助産師教育と教材(骨盤モデルや書籍)、その他助産に必要な医療機器など。
2017年12月29日に本募金は終了しました。ご協力いただいた皆様に深く御礼申し上げます。